[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
マックスプランク協会(MPG)
元記事公開日:
2025/02/10
抄訳記事公開日:
2025/03/19

マックスプランク協会が女性管理職の採用を推進

Mehr Direktorinnen denn je

本文:

(2025年2月10日付、マックスプランク協会(MPG)の標記発表の概要は以下のとおり)

マックスプランク協会では指導的立場に就く女性の割合が増えている。彼女たちに共通しているのは研究に対する情熱である。この度、マックスプランク協会には12人の女性所長と5人の男性所長が誕生した。これにより上級管理職に任命された女性の割合が改めて上昇した。

マックスプランク協会のクラマー(Patrick Cramer)会長は、「多くのトップ研究者の人事を確保できただけではなく、マックスプランク協会における女性の割合が増加し、さらに国際化が進んだことを嬉しく思う。機会均等という面でも、とても良い方向に進んでいる。4年前は女性所長の割合は18%だったが、このままいけば上級管理職の女性率を2030年までに28%にするというMPGの目標は必ず達成されるだろうし、グループリーダーレベルでは50%になるだろう」と語っている。

研究所の69%が、2024年末までに少なくとも一人の女性所長を任用しており、これは前年と比べると11%の増加である。研究所当たり最低一名の女性所長を置くという目標は効果を上げたことになる(MPGの各研究所では複数名の所長が任命されている)。この成果は、国を越えて優秀な女性の人材を獲得する、あるいは経営層の強いコミットメントによる広範な人材登用の成果である。加えて、MPG内のモニタリングの強化や、男女平等の採用の取り組みも全体的な正しい方向に進んでいる。

いわゆるガラスの天井が破壊されれば、機会均等策を必要としなくなる状態が達成されたことになる。それまでの間、MPGは「ミネルヴァ・ファースト・トラック」などのプログラムを設け、長期にわたって優秀な女性研究者を支援していく。同プログラムは、博士号取得後に長期的なキャリア形成に関心のある極めて優秀な女性研究者を対象としている。採択の条件は、博士取得論文を提出して2年以内であること、もしくは最初のポスドク職を終了したことである。支援は最長4年間で、終了時にMPGのグループリーダーに応募することが条件である。持続的なキャリア開発のもう一つの例としては、女性研究グループリーダーのために考えられた「リーゼ・マイトナー・エクセレンスプログラム」がある。このプログラムに採択されると、「テニュア・トラック」に応募する機会が与えられる。今年もこれらのプログラム終了者から一人の女性所長が誕生した。

[DW編集局]