[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2025/02/17
抄訳記事公開日:
2025/03/25

欧州委員会共同研究センター、欧州の未来にとって重要な221の新興技術に関する報告書を発表

221 emerging technologies that could shape Europe’s future

本文:

(2025年2月17日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

共同研究センター(JRC)の技術報告書「科学技術における弱いシグナル – 2024(Weak signals in Science and Technologies – 2024)」によると、欧州は新興技術に関する科学研究で高い地位を保っている。この報告書では、人工知能、量子コンピューティング、バイオテクノロジーなど、さまざまな分野に亘って欧州の競争力を向上させる可能性のある重要領域の新興技術を分析している。

新興技術の予測により、政策立案者が潜在的な社会的・経済的・安全保障上の影響に対処しながら、その利点を活用できるようになるため、欧州の競争力にとって極めて重要である。

この研究調査は、JRCが2019年に開発した定量的手法に基づいており、「技術開発の弱いシグナル」、つまり、その分野の最先端の研究につながる可能性のある新興技術のごく初期の兆候を検出するように考案されている。

4回目となるこの報告書の目的は、新興技術の最新の動向に関する新たな知見を提供し、それらが社会に及ぼす潜在的な影響を分析することである。この報告書では、2024年中に検出された221の新興技術を専門家が検討し、eヘルスから航空宇宙まで12のテーマ別クラスタに分類している。検出された新興技術の多くは人工知能や機械学習にも関連しており、医療、金融、輸送などの分野で応用されている。報告書では、これらの技術が産業を変革し、人々の生活を向上させる可能性を強調している。

科学研究に関して言えば、報告書欧州は221の新興技術とカテゴリのほとんどで高い地位を保っているとこの報告書は示している。特に、デジタルツイン(物理的なオブジェクトの仮想レプリカ)、人工知能と機械学習、治療とバイオテクノロジー、エネルギー、環境と農業のクラスタにおいて高い地位を占めている。欧州の機関は科学論文発表で大きく貢献しており、最も影響力のある科学論文の上位1%を占めている。しかし、特許取得では米国と中国がリードしており、調査対象となっている新興技術のほとんどのクラスタで欧州は後塵を拝していると報告書は示している。

[DW編集局]