[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ライプニツ欧州経済研究センター(ZEW)
元記事公開日:
2025/02/21
抄訳記事公開日:
2025/03/28

最先端イノベーションには研究機関と企業の協力が不可欠

Kooperation fördert Spitzeninnovation

本文:

(2025年2月21日付、ライプニツ欧州経済研究センター(ZEW)の標記発表の概要は以下のとおり)

研究機関と協力する企業は、市場導入や世界初のイノベーションを成功させる可能性がはるかに高くなっている。従って産学の協力は、ドイツにおけるイノベーションの中心的な推進力となっている。さらにこれらの企業は、革新的な製品で、より高い収益シェアを達成している。しかし、官僚的な障壁と公的資金の不足が、協力を困難または不可能にする重大な障壁となることが多いこともわかっている。

ZEWマンハイムのジュニア研究グループ、Co-Creation、の責任者であるクリーガー(Dr.Bastian Krieger)氏は、次のように説明した。「科学的な協力関係を持つ企業は、世界クラスのイノベーションを開発する可能性が最大69%高いことが示されている。このことから、ドイツの競争力にとっては、科学研究が中心的な役割を果たしていることがわかる。ドイツ経済にとって、このようなパートナーシップの可能性を引き出すためには、公的資金の増強と官僚的な障壁の排除が不可欠である」

協力による優位性:市場でのイノベーション製品による収益の割合は、研究機関と協力している企業の方が平均55%高く、世界市場では、協力関係がない企業よりも79%高くなっている。これらの数字は、イノベーション・プロセスだけではなく、国際比較におけるドイツ経済の競争力にとっても、研究機関との協力が極めて重要であることを示している。

官僚主義と資本不足がイノベーションを遅らせる:科学的な協力には、明らかなメリットがあるにもかかわらず、多くの企業が大きな課題に直面している。公的資金の不足は、協力の開始を妨げたり、パートナーシップの継続性を危険にさらす最も一般的な障害になったりする。さらに企業や研究機関の資金や人材の不足により、可能性のあるプロジェクトが開始する前に頓挫する、ないしはキャンセルされることもある。

もう一つの問題は、行政的および法的枠組みである。複雑な契約交渉、不明確な知的財産規則、負担の大きい報告要件など、官僚主義的なハードルにより、協力が複雑になったり、場合に拠っては、中止となったり、開始に繋がらないこともある。

[DW編集局]