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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府
- 元記事公開日:
- 2025/02/21
- 抄訳記事公開日:
- 2025/03/28
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トランプ大統領、国家安全保障の確保に向けた対内・対外投資の規制策を発表
- 本文:
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(2025年2月21日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり)
本日、トランプ大統領は、米国の国家安全保障上の利益、特に中国のような敵対勢力による脅威から米国を守りつつ、外国からの投資を促進することを目的とした国家安全保障大統領覚書(NSPM:National Security Presidential Memorandum)に署名した。このNSPMは、海外からの投資が、経済成長、雇用創出、イノベーションにとって重要であると位置づけ、世界トップレベルにある米国の金融市場を活用して雇用とイノベーターを支援すると定めている。具体的には、次のような施策を実施する。
▽同盟国等からの投資促進のため、「ファスト・トラック」を設け、当該分野での投資家の敵対勢力との提携防止の条件を設ける。また、10億ドルを超える投資は、環境審査を迅速化する。
▽対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)を、技術、重要インフラ、ヘルスケア、農業、エネルギー、原材料など米国の戦略分野に対する中国の投資を制限するために活用する。
▽機密施設に近接する農地や不動産を保護し、機密技術に関連する人材や事業への敵対者のアクセスを制限する。
▽敵対国からの投資に対する緩和的な協定よりも、重要な同盟国からの投資の促進に多くの行政資源を割り当てる。
▽中国のような外国の敵対国による資本、技術、知識の搾取を抑制するための新ルールを確立し、米国の利益に資する投資のみが許可されるようにする。
▽米国の資金が中国の軍民融合戦略(MCF:Military-Civil Fusion)を支援することを阻止するため、半導体、人工知能、量子技術、バイオテクノロジー、航空宇宙などの機密技術における対中投資の新たな制限や制限の拡大を検討する。
▽すべての外国人からのパッシブ投資を引き続き奨励する。
▽米国で上場している外国企業を監査し、その所有構造や不正を調査し、外国の敵対企業を年金制度への拠出の対象外とする。トランプ大統領は、国家安全保障と経済的利益のバランスを取りつつ、米国を一流の投資先とすることを目指している。前述の措置により、同盟国は米国のイノベーターと経済成長を支援しやすくなる。他方で中国を含む特定国は、最先端技術や知的財産へのアクセス、戦略的産業における影響力を得るために、組織的に次のような米国投資や介入を行っており、これに対抗する必要がある。
▽外国の団体や個人は、米国内の全農地の約2%を所有している。中国は 27の州で35 万エーカー以上の農地を所有している。
▽中国は米国の資本と知的財産を悪用し、自国の軍事、諜報、安全保障活動に資金を提供させている。
▽中国のハッカーは、海外からの投資を審査するCFIUS事務所に侵入するなど、米国の組織を繰り返し標的にしている。本NSPMは、米国のイノベーションを保護するためにトランプ政権1期目に行った以下のような数々の行動を基礎としている。
▽強制的な技術移転、不公正なライセンス供与、知的財産権政策に関する中国の慣行について301条調査を実施した。
▽機密の窃盗、ハッキング、経済スパイを特定し起訴するための司法省中国イニシアチブを発表した。
▽外国の悪意ある者による米国情報ネットワークへのアクセスの防止措置を講じた。 [DW編集局]