[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
経済・財務・産業・デジタル主権省
元記事公開日:
2025/02/14
抄訳記事公開日:
2025/03/28

エネルギー転換産業を強化する新たな戦略契約

Un nouveau contrat stratégique pour renforcer l’industrie de la transition énergétique

本文:

(2025年2月14日付、経済・財務・産業・デジタル主権省の標記発表の概要は、以下のとおり)

「新エネルギー・システム」業界の新たな戦略契約(2025~2027年)が締結された。目的は、エネルギー転換をフランスの再工業化のチャンスとすることである。

「新エネルギー・システム」業界は、売上高500億ユーロ、雇用者数約25万人の規模で、エネルギー転換関連(再生可能エネルギーと熱エネルギー、脱炭素化技術、エネルギーネットワークと電力貯蔵)のメーカーを結集している。

この戦略契約は、進化する職業と技能の課題を統合しながら、エネルギー転換産業の発展に欠かせない主な優先課題について、国、メーカー、労働組合が実施すべきことを2から3年にわたって業務計画として定めている。

メーカーが主導する23のワーキンググループには、機器メーカーを中心に総勢1,500名が結集している。

■2025年から2027年までの新たなロードマップ
この業界は、戦略的自立に不可欠である再生可能な電気・熱エネルギー、バイオガス、低炭素水素、バッテリー、そして二酸化炭素と、エネルギーネットワークの分野において競争力のある産業を維持し、誘致し、発展させることを目指している。
この期間中に強化される新しい作業分野は、以下のとおり。

▽再生可能かつ持続可能な熱の回収:ヒートポンプ、産業廃熱回収、地熱エネルギー、太陽熱エネルギーの4つの作業部会を新たに設置
▽ネットワークと資源の管理に不可欠なエネルギーのフレッキシビリティ(柔軟性)
▽航空宇宙産業向け代替燃料:2025年半までに、業界協定の改正を目指す作業部会の設置

さらに、「新エネルギー・システム」のセクター戦略委員会(CSF)は、以下の活動を積極的に展開する。

▽脱炭素情報プラットフォームである「Je-decarbone」(ジュ=デカルボンヌ:「私もやる、脱炭素」の意)プログラムの一環としての産業の脱炭素化:競争力と持続可能性の両立というメーカーのニーズに対応する。2022年の発足以来、数多くの脱炭素ソリューション等の実績を誇る。
▽職業認証を通じたエネルギー転換専門職の魅力の向上:若年層や再び教育を受けたいと願う社会人らが、持続可能で低炭素なエネルギーの生産、輸送、貯蔵に役立つ100の資格を見いだせるよう職業認証を拡大する。

政府の投融資計画「フランス2030」、グリーン産業法およびグリーン産業税額控除(C3IV)による支援を中心に、前回の業界協定(2021年から2024年)は、以下の成果を上げ、同協定の事業の75%以上を達成し、欧州産業の保護を支援してきた。

▽バッテリーギガファクトリーの創設
▽最も炭素の排出量が多い50の産業拠点での、「Je-decarbone」プログラムおよび炭素の回収・利用・貯留(CCUS)戦略の立ち上げによる脱炭素化、水素戦略の実施

[DW編集局]