[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2025/02/26
抄訳記事公開日:
2025/04/03

欧州委員会は「手頃なエネルギーに向けた行動計画」を発表し、欧州の消費者と企業を救済

Commission brings relief to European consumers and businesses with Action Plan to save €260 billion annually by 2040

本文:

(2025年2月26日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会は2025年2月26日、エネルギーコストを下げ、エネルギー同盟(Energy Union)を完成させ、投資を誘致し、潜在的なエネルギー危機に備えるための短期的措置を含む「手頃なエネルギーに向けた行動計画(Action Plan for Affordable Energy)」を発表した。この行動計画は、高額な光熱費に悩む家庭だけでなく、高い生産コストに悩む産業も救済する。2025年には全体で450億ユーロの節約になると推定され、2030年までに年間1,300億ユーロ、2040年までに2,600億ユーロと徐々に節約額が増加すると見込まれている。

行動計画は、再生可能エネルギーの増強、省エネルギー、市場統合の深化、相互接続の改善による利益を前倒しで提供することで、消費者に短期的な救済をもたらすとともに、エネルギー同盟の完成への道を開くことになる。EUのエネルギーコスト上昇の原因となっている、特に欧州の輸入化石燃料への依存や電力システムの統合が不完全であるなどの構造的な課題に取り組むための諸施策を提案している点でも重要である。

クリーンエネルギーとインフラへの投資を加速し、またガス市場に透明性と公平性をもたらすことで、エネルギーはより手頃な価格になる。再生可能エネルギーとエネルギーインフラの認可期間をさらに短縮することで、発電コストの削減にも役立つ。EU域内エネルギー市場のおかげで、消費者はすでに毎年約340億ユーロの利益を得ている。さらなる統合により、2030年までに年間400億~430億ユーロにまで利益が増加する可能性がある。

行動計画の本文では、8つのアクションが4つの柱に分かれて提示されている。
◇柱1:エネルギーコストの削減
・アクション1:電気料金をさらに手頃なものにする
・アクション2:電力供給コストの削減
・アクション3:適切に機能するガス市場の確保
・アクション4:エネルギー効率性―省エネルギーの実現
◇柱2:エネルギー同盟の完成
・アクション5:エネルギー同盟の完成
◇柱3:投資の誘致と確実な供給
・アクション6:欧州の産業界に手頃なエネルギーを供給するための三者協定の確立
◇柱4:潜在的なエネルギー危機への備え
・アクション7:価格安定のための安全な供給の確保
・アクション8:価格危機への備え

[DW編集局]