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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2025/03/05
- 抄訳記事公開日:
- 2025/04/09
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欧州委員会、欧州自動車産業の将来に関する戦略的対話に基づく行動計画を発表
Commission boosts European automotive industry's global competitiveness
- 本文:
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(2025年3月5日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)
フォン・デア・ライエン欧州委員長は、1月に「欧州自動車産業の将来に関する戦略的対話(Strategic Dialogue on the Future of the Automotive Industry)」を開始した。欧州委員会は2025年3月5日、戦略的対話を基にした行動計画を発表し、強固で持続可能な自動車セクターを確保し、自動車セクターの革新力を発揮させる具体的な行動を提示した。欧州の強力な生産基盤を維持し、戦略的依存関係を回避するため、18億ユーロを投じてバッテリー原材料の安全で競争力のあるサプライチェーンを構築し、欧州自動車産業の成長を支援する。
■ イノベーションとクリーン・モビリティへの移行を加速
行動計画では、欧州の自動車業界がAI搭載、コネクテッド、自動運転車への移行をリードできるよう、ギアシフトを提案している。欧州コネクテッド・自律走行車アライアンス(European Connected and Autonomous Vehicle Alliance)は、欧州の自動車業界関係者を結集して次世代自動車開発を促進し、必要な共有ソフトウェアとデジタルハードウェアの開発を支援する。大規模なテストベッドと規制のサンドボックスにより、イノベーターは自律走行車の技術を自由にテストし、改良できるようになる。欧州委員会は、自動運転車に関する規制枠組みをさらに発展させる予定である。これらの施策は、2025~2027年の間にHorizon Europeプログラムが支援する約10億ユーロの官民共同投資によって支援される。
■ CO2基準規制に、より柔軟性を持たせる
欧州委員会は今月、乗用車とバンのCO2基準規制に重点を置いた改正を提案する。この改正が採択されれば、自動車メーカーは3年間(2025~2027年)の実績を平均化することでコンプライアンス目標を達成できるようになり、1~2年の不足分を他の年の超過達成分で補い、2025年の目標に対する全体的な意欲を維持できるようになる。
■ サプライチェーンの強靭化と業界労働者の支援
欧州委員会は、イノベーション基金による資金提供を通じて、EUのバッテリー産業をさらに支援し、欧州での強力な生産基盤の維持を支援する。欧州委員会はまた、バッテリーを生産する企業への直接的な生産支援や、レジリエンス要件など、部品の価格以外の基準についても検討する。
EUの自動車業界が技能不足、ミスマッチ、労働力の高齢化に関連する課題に対処できるよう、欧州公正移行観測所(EFTO:European Fair Transition Observatory)がデータの構築と収集を行う。なお、欧州公正移行観測所はクリーン産業ディール(Clean Industrial Deal)に伴って発足した。さらに、欧州委員会はソーシャルパートナー(social partners)や加盟国と協力して、自動車セクターへの欧州社会基金プラス(ESF+)資金を増額し、再教育や新たな雇用機会を求める労働者を支援する。
■ グローバルな舞台で競争に勝つために業界の強靭化を図る
欧州委員会は、反補助金措置などの貿易防衛手段を用いて公平な競争条件を確保する。また、EU の自動車部門への外国投資が業界の長期的な競争力に貢献することを保証する措置を提案し、さらに規制の簡素化を通じて欧州の自動車メーカーの行政上の負担軽減に取り組む。
[DW編集局]