[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究・イノベーション機構(UKRI)
元記事公開日:
2025/03/12
抄訳記事公開日:
2025/04/17

熱波と大気汚染に対処する新規Horizon Europeプロジェクト

New Horizon Europe project to address heatwaves and air pollution

本文:

(2025年3月12日付、英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州の都市では、深刻化する熱波と大気汚染の増加に見舞われており、公衆衛生と都市の居住性に大きなリスクがもたらされている。2024年は、記録的な気温上昇が欧州を襲い、ロンドンやミラノなどの都市は、危険な汚染レベルに対する緊急対策を導入した。

これに対応して、EUが資金支援する新規イニシアチブであるUrbanAIR(大気の質と熱レジリエンス戦略のための都市シミュレーション)では、欧州11か国から18の主要パートナーが結集し、革新的な意思決定支援ツールを開発する。

この意思決定支援ツールは、近隣地域および街路レベルの大気モデルと、欧州の5つの都市(アントワープ、バルセロナ、ブリストル、パリ、ロッテルダム)からのリアルタイムの気象データを統合する。これらの都市は、多様な都市環境におけるツールの有効性を確保するため、ツールの改良とテストに寄与する。

科学技術施設会議(STFC)の科学コンピューティング部門内の2つのグループ(熱流体グループおよびデータ・エンジニアリング・グループ)がこのイニシアチブで重要な役割を果たす。これらのグループは、STFCの「国家インフラ向けデータ・分析施設(Data & Analytics Facility for National Infrastructure:DAFNI)」プラットフォームを使用して、参加都市の「デジタル・ツイン」の枠組みの計画を立てる。これにより、欧州委員会のDestination Earthプラットフォームに導入可能な、気象と人間行動の両方のシミュレーションモデルを構築する予定である。
計算モデリングを通じて気象データと人間の行動への洞察を組み合わせることで、UrbanAIRは欧州における都市の計画・デザインのプロセスの転換を目指している。

[DW編集局]