[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2025/03/11
抄訳記事公開日:
2025/04/17

JRCは「EUの再生可能電力の供給に向けた循環経済戦略」を発表し、再生可能エネルギーへの移行により生じる新たな廃棄物の再利用とリサイクルを検討

There’s new waste coming from the transition to renewables. How to reuse and recycle it?

本文:

(2025年3月11日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

化石燃料発電所から再生可能な電力インフラへの移行により、多様な廃棄物がますます多く発生している。JRCの科学者たちは、現在と将来における廃棄物の量を推定し、それらをサーキュラーエコノミー(循環経済)の一環に取り入れる方法を検討している。

これらの廃棄物には、鉄、銅、アルミニウム、コンクリート、ガラス繊維、ガラスなどのリサイクルできる貴重な材料、シリコン、コバルト、リチウム、希土類元素などの重要原材料、建設廃棄物・解体廃棄物が含まれる。

再生可能エネルギー目標の増加、技術や設計内容の更新、耐用年数などの変動要因により、将来の廃棄物量について再考する必要が生じている。共同研究センター(JRC)が2025年1月に発表した報告書「EUの再生可能電力の供給に向けた循環経済戦略(Circular Economy Strategies for the EU’s Renewable Electricity Supply)」では、太陽光発電・風力発電インフラや化石燃料発電所の廃止によって2023年までに生じた物質を定量化し、2050年までの太陽光発電・風力発電廃棄物の将来を評価している。

太陽光発電(PV)だけでも、EU27か国では2040年までに累計で600万~1,300万トン、2050年までに2,100万~3,500万トンの太陽光発電廃棄物が発生する。JRCの上記報告書によると、廃パネルの効率的なリサイクルは、再生可能エネルギーシステムのEU域内製造率を40%にするというEUの目標達成に大きく貢献できる。適切に収集とリサイクルが行われれば、太陽光発電(PV)パネルから回収される銀は、新たなPVパネル製造の需要を満たす可能性がある。

EUでは、2030年までに4万2,500基、2050年までに8万6,000基の風力タービンが設置される可能性がある。2050年までに、風力発電インフラは太陽光発電インフラよりも多くの廃棄物を生成すると予想されている。風力タービンの年間廃棄物は、2050年までに1,000万トンに達すると推定されている。

[DW編集局]