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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)
- 元記事公開日:
- 2025/04/01
- 抄訳記事公開日:
- 2025/04/28
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欧州データインフラ構築のためのGaia-Xプロジェクトが成功裏に終了
Gaia-X-Projekte für europäische Dateninfrastruktur erfolgreich abgeschlossen
- 本文:
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(2025年4月1日付、ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)の標記発表の概要は以下のとおり)
BMWKが助成したGaia-X関連の全11件のプロジェクトが、応用志向の成果をもって全て終了した。現在、その成果の継続活用と他分野への展開が進められている。BMWKは2021年よりGaia-X資金調達公募を開始し、デジタルエコシステムとしてのGaia-Xに基づくデータ活用の促進とデータスペースの構築を行ってきた。
Gaia-Xは、競争力があり信頼できる欧州データインフラを構築するためのオープンフレームワークである。目標は、欧州連合の定めた標準に従いオープン・インターフェースを通じてデータを共有・連携することのできるデジタルデータエコシステムの構築である。これは新たなクラウドを作ることではなく、多くのクラウド提供者とデータ所有者が共通の標準に基づき結びつくことのできる連邦型データシステムを作ることである。従って、マーケットにおいて行われている解決方法とは異なり、データは常にその所有者のもとに留まり、定められた条件のもとで共有されるという、Gaia-Xエコシステムによる透明・確実なデータ交換を実現するものである。
Gaia-X支援プロジェクトは、Gaia-Xというインフラをベースとしてイノベーティブなデータの活用とデータスペースを構築するための旗艦プロジェクトとしてスタートしたもので、11件の採択プロジェクトに総額1億3,200万ユーロが支援された。
これらのプロジェクトで開発された活用法とデータスペースは大きな活用可能性を有している。例えば、患者のデータを確実かつ効率的に科学研究のために利用できるデータスペースが開発された。建築・土木部門のプロジェクトでは、建築・土木計画と許認可プロセスのデジタル化が推進された。さらに、多言語対応のAI言語モデル(Teuken 7B)が開発・公開され、機微な企業情報や個人情報も欧州の高度なデータ保護とセキュリティ標準に従い利用できるようになった。
連邦政府の航空・宇宙分野の調整官であり、BMWKのデジタル経済・スタートアップ担当官を務めるクリストマン氏は、「Gaia-X支援プロジェクトの成功と、その高い市場可能性は素晴らしい。このようなイノベーションは、ドイツと欧州のデジタル主権、競争力、そしてレジリエンスを強化する。今後は、こうした活用事例とデータスペースを実務の現場で広く定着させていくことが重要である」と語っている。
[DW編集局]