[本文]
-
- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- マックスプランク協会(MPG)
- 元記事公開日:
- 2025/04/02
- 抄訳記事公開日:
- 2025/04/28
-
未来のエネルギーをテーマに「科学年2025」開幕
- 本文:
-
(2024年4月2日付、マックスプランク協会(MPG)の標記発表の概要は以下のとおり)
未来のエネルギーシステムはどのようなものになるのか? そして、それを実現するために科学が出来ることは何か? これらに対する答えは、4月1日にオズデミル(Cem Özdemir)ドイツ連邦教育研究省(BMBF)大臣によって開会された「科学年2025」で明らかにされるであろう。3つの集中的なパネル・ディスカッションを通じて、ドイツの科学機関が共同で開催する今後のイベントへの刺激的なキックオフが行われた。
主なポイントは以下の4点である:
1) 高いエネルギー需要と気候変動:オズデミル大臣は開会のスピーチで、エネルギーへの高い需要と、将来のエネルギー供給に対する気候変動の課題を強調した。
2) 革新的な技術:専門家は、地熱エネルギー、グリーン水素、核融合など、将来の革新的なエネルギー源について議論した。
3) 科学と産業のパートナーシップ:産業界は、実現可能な核融合炉の開発や、欧州のバッテリー経済の発展において重要な役割を果たすとされている。
4) インタラクティブな展示:科学年のハイライトの1つは、5月からドイツの水路を航行する「科学展示船」である。オズミデル大臣は「世界はこれまで以上にエネルギーを必要としている。人工知能(AI)はエネルギー管理を効率化し、エネルギーの節約に役立つ可能性があるが、それ自体が多くのエネルギーを必要とする。どのようにして、エネルギーを犠牲にすることなく、エネルギーの渇望を満たすかが、私たちの直面する中心的な問題である」と述べ、自由な科学がそれの解決において最も重要な役割を果たすことを強調した。
ツォーム(Hartmut Zohm)マックスプランク・プラズマ物理学研究所(IPP)長は、核融合技術が過去4年間で大きな技術的成功を収め、産業界の投資を促進する要因となったことを説明した。しかし、この技術はまだ初期段階にあり、今後も産業界の大きなパートナーシップがなければ、核融合炉の持続的運転という目標を実現できないであろう。
ギーセン大学のヤンク(Jürger Jank)氏によれば、フレキシブルな電気化学エネルギー貯蔵システムとして、多種多様な電池の需要が増加しているが、これらは主に中国で生産されており、欧州としては自立した生産体制を考える必要があると指摘した。
科学展示船では、新しいエネルギーのアイデアを紹介するインタラクティブな展示が行われ、特に若い観客を対象に、体験を通じて学べる内容となっている。MPGからは、マックスプランク・石炭研究所、マックスプランク・化学エネルギー転換研究所、IPPが展示を提供する予定である。
[DW編集局]