[本文]
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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ国家科学アカデミー(Leopoldina)
- 元記事公開日:
- 2025/03/27
- 抄訳記事公開日:
- 2025/04/30
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ドイツには研究・イノベーション・技術を統合する強力な省庁が求められている
Deutschland braucht ein starkes Ministerium für Forschung, Technologie und Innovation
- 本文:
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(2024年3月27日付、ドイツ国家科学アカデミー(Leopoldina)の標記発表の概要は以下のとおり)
ドイツ科学寄与者連盟、レオポルディーナ、フォルクスワーゲン財団およびイノベーション審議会(EFI)の4団体は、共同でポジション・ペーパーを発表した。この中で新連邦政府に対し、研究・イノベーション政策の抜本的な再構築を強く求めている。提言の柱は、基礎研究から応用研究、製品開発から市場化に至るまで、研究とイノベーションの全プロセスを統合的に推進する司令塔として機能する「研究・技術・イノベーション省(BMFIT)」の創設である。
ドイツにおいて、研究成果を実用的かつ市場性のあるソリューションへと一貫して転換していくには、より大胆で将来を見据えたイノベーション政策への転換が不可欠である。経済・社会の構造的変革を成功に導くには、既存の制度を部分的に改革するだけでは不十分であり、省庁再編を含む、研究・イノベーション政策全体の抜本的な刷新が必要だと強調されている。
4団体は新連邦政府に対し、以下の具体的提言を提示している:
1) イノベーション政策を、研究と産業の両政策を統合した戦略として再定義する。
2) 分野横断的な協力を促進し、イノベーション目標の実効的な達成を担うBMFITを創設する。
3) 同省の指導部には、高度な専門的知識と強い政治的影響力を兼ね備えた人材を配置し、連邦政府内における研究・イノベーションの地位を強化する。このポジション・ペーパーは、2025年1月に開催されたイノベーション政策の方向転換に向けたフォーラムにおいて、経済界、学術界、政界の主要な代表者が一堂に会して行われた議論を踏まえたものである。フォーラムの結論として、現代社会が直面する複雑な課題に対応するには、イノベーション政策の根本的かつ戦略的な転換が急務であるとの認識が共有された。
[DW編集局]