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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)
- 元記事公開日:
- 2025/04/03
- 抄訳記事公開日:
- 2025/05/12
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社会的市場経済の概念的発展に関する研究成果最終報告書をIfo経済研究所が公開
- 本文:
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(2025年4月3日付、ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)の標記発表の概要は以下のとおり)
Ifo経済研究所(ライプニッツ協会経済研究所)は本日、BMWKの委託を受けて実施した研究の最終報告書を公開した。この報告書は、社会的市場経済という概念について、経済学の知識の進歩や過去数十年にわたる実践的経験といった多角的な視点から検討を加えたものである。現在求められている本質的な課題を明らかにするとともに、今後の発展に向けた提言が取りまとめられている。本研究は、BMWKにとって、日々の経済政策における個別課題の評価というよりも、政治的判断に指針を与えるような、一貫性と長期的な視座に基づく経済政策の基本指針の構築と発展に資することを目的としている。
社会的市場経済という考え方は、ドイツ連邦共和国の歴史において、時代ごとの政治的・社会的環境に応じて柔軟に対応し、常に現実的な解決策を提示してきた。現在、ドイツが直面している構造的課題は、同国の経済システムに新たな試練を突き付けている。地政学的課題に加え、経済および社会の重要な分野での調整が求められている。
報告書は、社会的市場経済が将来にわたって成功し、指針となる枠組みであり続けるために決定的に重要な政策分野として、以下を挙げている。
・国家の行動能力
・競争とイノベーション
・機会の公平性と社会的参加
・環境の持続可能性執筆者は、著しく変化する今日の課題に直面しても、社会的市場経済の原則は将来にわたって広く有効であり続けるとの認識を共有している。また、研究者たちはこの報告書を通じて、分野横断的視点から、ドイツ経済政策の基本理念をエビデンスに基づいて発展させるための貴重な知見を提供している。
社会的市場経済は、「自由」と「安全」という二つの価値を基盤とした第二次世界大戦後のドイツの経済政策の根幹をなす理念である。この概念は、ドイツの経済学者アルフレート・ミュラー=アルマックによって理論的に提唱されたものであり、戦後の経済復興に貢献した経済大臣ルートヴィヒ・エアハルトが政策の柱として導入したことで広く定着した。その後、社会的市場経済は、ドイツ経済を象徴する基本的な枠組みとして受け入れられてきた。
[DW編集局]