[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2025/05/01
抄訳記事公開日:
2025/05/21

NASEM、「留学生受け入れは米国の繁栄に不可欠」と声明

Welcoming International Talent Is Essential to American Prosperity

本文:

(2025年5月1日付、全米科学・工学・医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:NASEM)の標記発表の概要は以下のとおり)

我々は、全米科学アカデミー、全米工学アカデミー、全米医学アカデミーの会長として、トランプ政権が最近1,000人以上の留学生ビザを復活させたことに謝意を表明する。また、米国の大学に在籍する留学生が引き続き歓迎され、安定した環境の下で学べるよう、政権に強く求める。米国内のみならず世界中から最も優秀な学生を惹きつけることは、すなわち、米国がイノベーションを促進し、新たな産業を創出し、米国民に高収入の雇用を提供するための最高の人材を確保することにほかならない。

NASEMの2016年報告書によると、高度な教育を受けた移民は価値あるイノベーションと生産性を生み出しており、その貢献がなければ、米国の長期的な経済成長は著しく損なわれるとされている。米誌によるランキング「フォーチュン500」に入る企業の43%は、移民またはその子孫によって創業されており、マイクロソフト、エヌビディア、グーグルのCEOは、いずれも教育を求めて米国に渡った移民である。また、NASEMの米国会員の内、30%以上は市民権を取得した移民である。

今回の留学生ビザの復活は歓迎すべき動きであるが、ビザの在留資格に関する不確実性が続けば、優秀な学生の渡米をためらわせる要因となるおそれがある。米国が世界中から最高の人材を惹きつけることで長期にわたり競争上の優位性を享受してきたことを考えると、これは憂慮すべき事態である。

加えて、米国人学生にとっても、留学生と関係を築き、最終的にはビジネス関係を結ぶことは有益である。NASEMは、留学生が米国の堅調な経済にもたらす利益が今後も維持・保護されることを強く望んでいる。

[DW編集局]