[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2025/04/22
抄訳記事公開日:
2025/05/23

欧州委、防衛関連投資を促進し、欧州戦略技術プラットフォームの適用範囲を拡大する新規則を提案

EU budget set for defence-related boost under new regulation

本文:

(2025年4月22日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会は2025年4月22日、EU予算の枠内で防衛関連投資を促進するための新たな規則を提案した。これにより、既存のEUファンディング・プログラムに対する重点的な修正が行われ、欧州防衛技術産業基盤(EDTIB)へのより迅速で柔軟、かつ協調的な投資が可能となる。この提案は、「防衛即応体制2030(Readiness 2030)」の強化と「欧州再軍備計画(ReArm Europe)」の実施を後押しするものである。

今回の提案では、欧州戦略技術プラットフォーム(STEP)の適用範囲が拡大され、防衛関連技術や製品、特に最近の「欧州防衛白書-防衛即応体制2030」で優先能力として示された分野が対象に追加される。このアプローチにより、欧州防衛基金(EDF)、Horizon Europe、デジタル欧州プログラム(DEP)などの枠組みで選定されたプロジェクトに「STEPシール」が授与され、EUの防衛力強化に不可欠な最先端技術の開発がより効果的に支援されることになる。

また、STEPの対象拡大は、欧州地域開発基金(ERDF)および結束基金(CF)など、EU予算による結束政策の下での重要防衛技術への投資を後押しすることが見込まれている。

さらに、Horizon Europe規則により、欧州イノベーション会議(EIC)の支援対象に、軍民両用(デュアルユース)および防衛関連のスタートアップ企業が含まれることになる。これにより、AIやサイバーセキュリティなどの分野で最先端の軍民両用・防衛技術の開発と実用化を加速する、活発なイノベーション・エコシステムの育成が目指される。

また、デジタル欧州プログラム(DEP)も軍民両用のアプリケーションを含むよう拡張され、特にAIギガファクトリー(AI Gigafactories)のような拠点の開発・運用を通じて、軍民両用の先端技術に対する重要な支援が提供される見通しである。

この提案は、2025年6月に欧州委員会が提示予定の包括的防衛簡素化パッケージ(the Omnibus Defence Simplification Package)を補完するものであり、加盟国間の防衛投資と協力をより迅速化・効率化することを可能にする。

[DW編集局]