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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ヘルムホルツ協会(HGF)
- 元記事公開日:
- 2025/04/17
- 抄訳記事公開日:
- 2025/05/27
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ヴィーストラーHGF会長、新政権の研究政策に期待を表明
- 本文:
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(2024年4月17日付、ヘルムホルツ協会(HGF)の標記発表の概要は以下のとおり)
ヴィーストラー(Otmar D. Wiestler)HGF会長は、新政権の連立協定について前向きな評価を示し、下記に示す通り、自身の見解を明らかにした。
連立協定に多くの肯定的要素を見出しており、新政府が官僚主義の削減にも真剣に取り組むことを強く期待している。とりわけ、連立協定に明記された「研究開発予算を国内総生産(GDP)の3.5%に引き上げる」との明確な方針は、特筆すべき前進であり、歓迎すべき内容である。こうした投資は、我が国をグローバルな競争環境に適合させ、持続可能な未来を築くために不可欠である。
ドイツを長期的に研究とイノベーションの国際的中核拠点として強化するための鍵は、人工知能(AI)、量子技術、バイオテクノロジー、健康、そして気候中立なエネルギー源の開発といった、将来の主要分野における研究への明確なコミットメントである。なかでもAIとその応用分野は、基礎研究、応用研究、さらには産業分野においても、いずれも重要な鍵を握る存在となっている。ハイパフォーマンス・コンピューティングやAIセンターといった研究インフラの整備、さらには物質研究や核融合研究分野における基盤拡充は、これらの先端領域において国際的リーダーシップを維持するために極めて重要である。専門的な知見と学際的な強みを活かし、こうした未来を担う研究分野の発展において大きな貢献が可能であると確信している。
連立協定のもう一つの要素として注目されるのは、イノベーションの原動力として研究の役割に焦点を当てている点である。ハイテク・アジェンダは、明確な目標の下で技術の開放性とイノベーション・エコシステムの構築を推進し、研究成果の市場展開を加速させる。当協会は、このような知の移転プロセスの実践において長年の経験を有しており、今後も積極的にその推進に取り組む。
また、国際的な優秀人材の誘致も、ドイツが研究拠点としてさらなる発展を遂げるうえで極めて重要な課題である。HGFは、連立協定に明記された「ドイツ版千人計画」を高く評価しており、世界各地から優れた科学者をドイツに迎え入れるという目標を強く支持する。
この連立協定は、ドイツが主要な研究拠点としての地位を一層拡充するための堅固な土台を提供している。今こそ、そこに掲げられた目標を、具体的かつ十分な財政的裏付けを伴う施策として着実に実行に移すことが肝要である。
ヘルムホルツ協会は、こうした野心的な未来戦略を力強く支援できることを、誇りとともに喜ばしく思っている。
[DW編集局]