[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究・イノベーション機構(UKRI)
元記事公開日:
2025/04/24
抄訳記事公開日:
2025/05/30

腸管、免疫、脳の健康とのつながりを解明する英国の研究ネットワークが始動

UK research network to unlock gut, immune and brain health links

本文:

(2025年4月24日付、英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり)

英国において、腸内環境が脳、免疫系、さらには心の健康に及ぼす影響を科学的に解明するための革新的な研究ネットワークが発足した。この研究ネットワークは、不安症、うつ病、認知症といった症状に対する新たな治療法の開発につながる可能性を秘めている。

腸管、脳、免疫系は常に相互に連携しており、気分、認知機能、慢性疾患において重要な役割を果たしていることを示唆する研究が増えている。しかし、その具体的メカニズムは未解明な部分が多い。

本ネットワーク「英国腸管・免疫・脳軸ネットワーク+(UK Gut-Immunology-Brain Axis Network+)」は、各分野の第一線の専門家を結集し、未解明の生物学的関連性を明らかにすることで、科学的根拠に基づいた新たな治療法や実践的なライフスタイル提言の基盤を築くことを目指す。

以下の主要課題を通じて、現在の健康上の重要課題に取り組む:

 メンタルヘルスの改善
プロバイオティクス、食事療法、腸管標的療法が、不安やうつ病に対して有効かを検証する。
 認知症と脳の老化に関する研究
腸の健康が神経変性にどのように影響するか、また、簡便なライフスタイルの改善がアルツハイマー病の予防に資するかを検討する。
 慢性疾患へのアプローチ
免疫機能、炎症、糖尿病や肥満などの慢性疾患における腸の役割を明らかにする。
 人工知能(AI)とビッグデータの活用
高度な技術を用いて腸と脳の相互作用を解析し、発見の加速を図る。

本ネットワークには、サウスハンプトン大学、ケンブリッジ大学、キングズカレッジロンドン、グアドラム研究所の研究者が参画する。プロジェクト期間は4年で、BBSRCから450万ポンドの支援を受ける。

[DW編集局]