[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立衛生研究所(NIH)
元記事公開日:
2025/04/30
抄訳記事公開日:
2025/06/02

NIH、研究成果の迅速な無償公開を前倒し

New Implementation Date for the 2024 NIH Public Access Policy

本文:

(2025年4月30日付、国立衛生研究所(NIH)による標記報道発表の概要は以下のとおり)

NIHは、資金提供した研究の成果を迅速かつ自由に公開することを目的とする「2024年パブリック・アクセス方針」の施行日を、当初予定よりも半年間早めて、2025年7月1日へと前倒しする方針を発表した。

この決定は、NIHが支援する研究活動の透明性を最大限に確保するという基本的な姿勢に基づいている。NIHは2008年にパブリック・アクセス方針を初めて導入して以来、150万件以上のNIH支援論文を、公開プラットフォームである「パブメド・セントラル(PubMed Central)」を通じて無償で一般に公開してきた。なお、従来の方針では、論文公開まで最大12か月の「エンバーゴ(公開猶予期間)」を認めていたが、2024年の方針改定により、研究者、学生、そして一般市民が研究成果に迅速にアクセスできるよう猶予期間を撤廃した。

NIHは米国の生物医科学研究の中核的存在である。しかし、ピュー・リサーチ・センターの最近の調査によれば、科学者が公共の利益のために活動していると強く信頼している米国民は、わずか25%にとどまるという。今回の方針前倒しは、NHIが支援する研究への国民の信頼を高め、納税者の投資がすべての米国民に恩恵をもたらすことを示すとともに、再現性と一般化可能性を備えた研究成果の創出にも資することが期待されている。

バッタチャリア所長は、NIHへの信頼は「米国を再び健康にする」という政権目標の達成に不可欠な要素であり、NIHおよび研究パートナーは、今後もあらゆる活動において最大限の透明性を追及していくと決意を表明した。

[DW編集局]