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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2025/04/30
- 抄訳記事公開日:
- 2025/06/02
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欧州委、2024年の欧州防衛基金から9億1,000万ユーロを投入
Commission mobilises €910 million to boost European defence and close capability gaps
- 本文:
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(2025年4月30日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会は、欧州に強力かつ革新的な防衛産業を創出することを目指し、2024年の「欧州防衛基金(EDF)」を通じて9億1,000万ユーロを投資する。この投資は、欧州の科学と産業全体のイノベーションと連携を通じて、部隊の機動性やドローンでの防衛といった主要な能力のギャップを埋めることを目的としている。さらに、今回初めて、ウクライナの防衛産業がEDFのプロジェクトに参加できるようになる。
■ 2024年EDF公募結果
2021年から2027年の予算として73億ユーロを有するEDFは、防衛研究開発協力を支援するEUの主要な手段である。EDFは、EUおよびノルウェーのあらゆる規模の企業や研究機関間の協力を促進しており、さらにEU防衛イノベーション・スキーム(EUDIS)を中核に、EU防衛エコシステムの変革と拡大を推進している。
今年の投資のうち、特に4,500万ユーロは、「破壊的技術(disruptive technologies)」を支援するために充てられる。これらの技術は、既存の防衛装備品・コンセプト・能力を大きく変えるか、あるいは置き換えることを意図して設計されており、多くの場合、簡便性、利便性、アクセス性、または費用対効果といった要素の導入によって実現しようとするものである。採択されたプロジェクトのうち9件が、次世代のステルス素材を開発する「METASTEALT」プロジェクトなど、破壊的技術の実現を目指している。
新たに採択されたプロジェクトには、高度なAI駆動型航空システムの開発に重点を置くウクライナの「小型UAS」プロジェクトも含まれている。さらに、45以上の産業界と研究機関を結集し、2030年までに次世代の欧州回転翼航空機を開発する「ENGRTII」プロジェクトも含まれている。また、「EUROSWEEP」プロジェクトでは欧州共通の自律型掃海システムの構築が進められる。
EDFはまた、欧州委員会のイニシアチブである「欧州戦略技術プラットフォーム(STEP)」の目標に初めて資金提供し、関連する公募テーマを合計15件提出した。
[DW編集局]