[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
科学・イノベーション・技術省(DSIT)、Vallance卿
元記事公開日:
2025/04/30
抄訳記事公開日:
2025/06/03

欧州初となる半導体施設、サウサンプトンに開設

European-first semiconductor facility launches in Southampton

本文:

(2025年4月30日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)、Vallance卿の標記発表の概要は以下のとおり)

最先端の電子ビーム技術を使用して次世代の半導体チップを製造する欧州初の施設が、サウサンプトン大学に開設された。この新たな電子ビームリソグラフィー施設は、世界で2番目、日本以外では初の設置となるものであり、医療診断から防衛システムに至るまで、将来の技術を支える極小部品の設計に不可欠な、驚異的な精度を実現する。

この分野の強化は、イノベーションの促進と雇用創出を通じて、英国政府の「変化に向けた計画」における中核的な成長を牽引する好機となる。また、先進製造業の発展と世界的競争力の確保を目指す、より広範な「産業戦略」にも資する。

本日公表された英国半導体産業の労働力に関する調査結果によると、半導体産業が今後さらなる成長を遂げる上で最大の障壁の一つは、新たな人材の不足である。平均して半導体技術者一人が年間46万ポンドを英国経済にもたらすとされることから、この分野が秘める経済的潜在力は極めて大きい。

こうした課題に対応すべく、政府は本産業の持続的成長を支える人材基盤の強化を目的として、新たに総額475万ポンドの半導体スキルパッケージを立ち上げた。この取り組みは、英国における半導体技術革新と人材育成の中心であるサウサンプトンなどの一流大学の研究開発能力の強化にも資する。パッケージの内訳は以下の通りである:

・300万ポンド:学部生向け奨学金。今年からエレクトロニクス・電気工学の学位取得を目指す300名の学生への5000ポンドの提供等。
・120万ポンド:半導体チップデザインの研修。学部生・大学院生・講師にチップデザインスキルを教えるコースの設置等。
・約55万ポンド:学校でのアウトリーチ。15-18歳の7000名の学生と450名の教師に対する半導体製造現場での体験機会の提供等。

[DW編集局]