[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会(FhG)
元記事公開日:
2025/04/30
抄訳記事公開日:
2025/06/04

FhGとacatech、新たな科学対話の場を創設 応用研究の知を市民と共有

Reden wir über uns: Forschungsdialog – Wissenschaft ganz nah

本文:

(2024年4月30日付、フラウンホーファー協会(FhG)の標記発表の概要は以下のとおり)

応用研究の最新トピックについて広く情報を提供し、一般市民、科学界、産業界、政界の間の対話を促進するために、FhGとドイツ工学アカデミー(acatech)は、新たなイベント・シリーズ「研究対話」を開始する。

バイエルン州各地のフラウンホーファー拠点において、同協会の研究者に加え、産業界および他の研究機関の専門家が関心のある市民を招き、自らの研究成果を紹介・発表する。この取り組みは、従来から社会的関心を集めてきた研究・技術分野の諸問題を一般に開かれた形で提示し、その多面的側面を明らかにしながら、共に議論を行うことを主眼としている。イベント・シリーズで取り上げられるテーマは、医療、人工知能(AI)、持続可能な経済といった多様な領域に及ぶ。

初回となるキックオフ・イベントは「個別化医療―がんに対する新たな戦略」をテーマに、5月7日にレーゲンスブルクで開催される。ここでは、FhG毒物学・実験医学研究所(ITEM)の研究内容が紹介され、それが臨床現場に与える具体的な影響についても深い洞察が提供される。

FhG会長の広報担当であるランドグラフ(Monika Landgraf)氏は、次のように述べた。
「この対話シリーズは、科学と市民社会との間に橋を架け、研究結果の背後にいる研究者たちに光を当てることを目的としている。産業界および一般市民との直接的な意見交換やフィードバックは、私たちと私たちの活動にとって非常に重要である。」

レーゲンスブルクでのキックオフ:このイベント・シリーズは、レーゲンスブルクのFhG拠点における「個別化医療―がんに対する新たな戦略」をテーマとした研究対話から幕を開ける。ITEMの研究者たちは、現在進行中の研究プロジェクトに関する知見を共有し、たとえば単一細胞由来の液体生検を用いて、散在性がん細胞の特性(例えば、脳脊髄液からの脳転移に関する情報など)をリアルタイムで解析する最新技術を紹介する。これにより、個別の患者に最適化された治療法の適応が可能となる。

この対話では、レーゲンスブルク大学病院の実例を参照しながら、大学および病院関係者と参加者が、こうした新知見が患者ケアの質的向上にどのように貢献し得るかについて議論し、質疑応答が行われる。

科学と社会の架け橋に:本イベント・シリーズは今後も継続され、7月15日にはFhG集積回路研究所(IIS)(エアランゲン・ニュルンベルク)において開催され、10月7日には、FhG建築物理研究所(IBP)(ホルツキルヒェン・バレー)にて研究プロジェクトの紹介が行われる。シリーズ最終回は、12月9日にバイロイトのFhG生産技術・オートメーション研究所(IPA)およびFhG応用情報技術研究所(FIT)が共同で開催するイベントで締めくくられる。

[DW編集局]