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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
- 元記事公開日:
- 2025/05/20
- 抄訳記事公開日:
- 2025/06/12
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NASEM、国家ナノテクノロジー・イニシアチブの評価報告書を発表
- 本文:
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(2025年5月20日付、全米科学・工学・医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine: NASEM)の標記発表の概要は以下のとおり)
NASEMは「国家ナノテクノロジー・イニシアチブの4年毎評価」の2025年版の報告書を発表し、国家ナノテクノロジー・イニシアチブ(NNI)をインフラ重視の体制へ方向付けることが必要であると強調した。
NNIは2002年の創設以来、約400億ドルの連邦政府投資が行われ、この間のナノテク関連企業の収益は約1兆ドル規模に達した。ナノスケールでの物質制御により、半導体製造、生体分子観察、リチウムイオン電池の性能向上などを可能にし、マイクロエレクトロニクス、医療、安全保障、農業など多分野の革新を促してきた。
しかし、ナノテク研究の世界的な競争は続いており、画期的な技術に取り組む研究者が世界クラスの施設を利用できるよう、戦略的な投資を行う必要がある。特殊で高価な機器や、それらを管理する専門家も含め、そのような施設を単一の機関が維持することは費用面からも困難である。NNIの功績の一つは、産官学の研究者が機器や専門能力を共有するためのインフラを構築・支援してきたことであり、これをさらに拡大することが必要である。
また、ナノテク分野は学際的であり影響範囲も広いため、国家ナノテクノロジー調整室(NNCO)を中核とする省庁横断の取り組みは極めて重要である。
本報告書は、議会に対し、適切な資金提供の下でNNCOおよび連邦政府機関の活動を、ナノテク分野の研究開発インフラの更新・拡張に方向付けるよう提言している。
[DW編集局]