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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ工学アカデミー(acateh)
- 元記事公開日:
- 2025/05/15
- 抄訳記事公開日:
- 2025/06/12
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インダストリ4.0による価値創造の転換と競争力強化:ドイツ研究諮問委員会が研究開発の優先課題を提示
- 本文:
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(2025年5月15日付、ドイツ工学アカデミー(acateh)の標記発表の概要は以下のとおり)
ドイツ連邦教育研究省(BMBF=当時)の主導の下に設置されたインダストリ4.0研究諮問委員会は、提言文書「インダストリ4.0:研究開発の展望」において、ネットワーク型価値創造の進展を踏まえ、研究資金配分の方向性に関する政策提言を行った。本文書では、インダストリ4.0の活用を通じて、経済および生産拠点としてのドイツの長期的な競争力を持続的に確保するため、主要な行動分野と優先課題を提示している。
本ペーパーでは、以下の5つの領域に焦点を当てている:
1) 持続可能な価値創造時代における競争力の確保
2) 将来の価値創造を支えるエコシステムの形成
3) 複雑な要件に対応する革新的エンジニアリング手法の導入
4) 部門横断型チームにおける共生的協働による産業労働の高度化
5) 実践志向のインダストリ4.0研究への的確な資金支援また、価値創造が大きく変容する移行期においては、インダストリ4.0がその基盤となる。インダストリ4.0技術を活用し、企業間連携型の収益性の高いビジネスモデルと高生産性の両立を図るとともに、労働現場全体を最適化する包括的なモデリングが求められる。
中小企業への指針と実装支援も重要な柱である。こうした企業は一層の方向づけを必要としており、研究活動はその成果が即座に実務へと展開されるよう設計されなければならない。人間中心の視点、持続可能性、レジリエンス、相互運用性、さらには技術的・戦略的主権を統合的に捉えることで、ドイツ産業の競争力は将来的にも盤石なものとなる。
研究諮問委員会の科学担当報道官リッゲスマイヤー(Peter Liggesmeyer)氏は次のように述べている:
「インダストリ4.0の実現には、先端技術のみならず、革新的ビジネスモデルと適切に設計された作業プロセスが不可欠である。それを支えるのは、的確な研究支援と産業界の積極的な参画である」 [DW編集局]