[本文]
-
- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 高等教育・研究省(MESR)
- 元記事公開日:
- 2025/05/27
- 抄訳記事公開日:
- 2025/06/13
-
MESR、「キャンパス・コネクテ」制度を恒久化へ 地方での学習機会拡充目指す
- 本文:
-
(2025年5月27日付、高等教育・研究省(MESR)の標記発表の概要は、以下のとおり)
フィリップ・バティストMESR大臣は、大学の授業を遠隔地からでもオンラインで受講できる「キャンパス・コネクテ(Campus connectés)」制度を恒久化することを決め、新たに200万ユーロの財政支援を実施すると表明した。2019 年の創設以来、大都市の高等教育機関から地理的に隔たれた地域において5,500人を超える学生を受け入れ、教育機会の均等化を促進する施策として、その有効性が実証されていた。
5月21日に発表されたコンサルタント会社バルトル(Bartle)による評価報告によれば、「キャンパス・コネクテ」の受講者数は年々着実に増加し、年間の修了率は85%に達している。さらに、参加学生の多くが「この制度がなければ進学は困難だった」と明言しており、制度の必要性を裏付けている。こうした実績を背景に、政府は2026年以降も同額の予算を計上する方針を打ち出した。地方圏における高等教育の充実に向けたMESRの意欲の表れと言える。
今後、各キャンパスは、希望する地方自治体および高等教育機関との間で新たに3年間の協定を締結することが可能となる。これに伴い、地方自治体には最大5万ユーロ、高等教育機関には最大1万ユーロの資金援助が提供される見込みである。既存のキャンパス運営主体は、2025年夏に実施予定の恒久化プロジェクトの公募に応募することができる。応募資格は、これまでの活動実績の精査および関係自治体および連携大学による継続的関与の意思に基づいて判断される。
バティスト大臣は「キャンパス・コネクテは、すべての地域における高等教育への平等なアクセスを担保する重要な政策インフラである。この制度の恒久化は、将来の教員養成の促進、地域における教育機会の補完、ならびに保健学初期課程へのアクセス向上を含む多角的な展望を開くものであり、これら諸分野において進行中の改革を強力に支える基盤ともなり得る」と評価している。大臣は近日中に現地キャンパスを訪問し、今後の展開に向けて関係者との協議を行う予定である。
[DW編集局]