[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
競争力評議会(COC)
元記事公開日:
2025/05/22
抄訳記事公開日:
2025/06/13

米競争力評議会(COC)、科学技術主導の国家再興を提言

Council on Competitiveness Releases "A Renewed Call to Action"

本文:

(2025年5月22日付、競争力評議会 (Council on Competitiveness: COC)の標記発表の概要は以下のとおり)

COCは本日、産官学・労働界のリーダー51名と連名で、政策提言「新たなる行動要請(A Renewed Call to Action)」を発表し、トランプ大統領および連邦議会に対し、米国の科学技術イノベーション能力の再興と新たな競争力の黄金時代の創出に向けた政策支援を強く求めた。

建国250周年を控える米国において、COCと同評議会の「イノベーションおよび競争力フロンティアに関する全米委員会」は、科学技術と産業の急速な変革に直面する現代を「断絶と混乱の時代」と位置づけ、連邦政府による研究開発(R&D)支援の再強化を呼びかけた。中国が台頭し、軍民両用(デュアルユース)技術や戦略的産業で主導権を握ろうとする中、米国の技術的優位と経済的繁栄を支える官民連携型のイノベーション・エコシステムが危機に瀕していると警鐘を鳴らしている。

今回発表された提言は、連邦R&D投資のGDP比が1960年代の2%以上から現在は0.7%にまで低下している現状を問題視し、以下の戦略的施策を掲げて政策転換を促している:

▽連邦研究開発(R&D)投資のGDP比2%水準への回復
▽量子技術、人工知能(AI)、バイオテクノロジー、半導体、先端材料、精密農業、核分裂、核融合、宇宙など、国家的デュアルユース技術に対する大規模投資
▽重要技術に関する「技術戦略外交(technology statecraft)」の推進、および同盟国との戦略的連携の強化
▽産官学の連携による科学インフラ投資の拡大、行政負担の軽減、次世代技術の商業化支援
▽「国防教育法2.0」の制定による、あらゆる層の国民に対するSTEM教育の抜本的拡充と人材パイプラインの強化
▽研究セキュリティの確保を前提とした、世界の最優秀人材の受け入れと定着の継続

本提言は、単なる財政改革にとどまらず、国家全体による超党派的なR&D投資への再コミットメントを求めるものであり、米国の科学技術力とグローバル・リーダーシップを再び輝かせるための礎となることを目指している。

[DW編集局]