[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
科学・イノベーション・技術省(DSIT)、Vallance卿
元記事公開日:
2025/05/19
抄訳記事公開日:
2025/06/13

英国政府、研究開発に対して10年にわたる資金支援体制の構築に乗り出す

Government to set new ten-year budgets for R&D funding

本文:

(2025年5月19日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)、Vallance卿の標記発表の概要は以下のとおり)

人間の健康から最先端のコンピューティングに至るまで、多様な分野におけるイノベーションを探求する重要な研究開発活動に対し、長らく求められていた、長期的な見通しと安定性を付与する、新たな資金提供の基準が英国政府により発表された。

これにより、政府各省庁やその他の公的機関は、特定の研究開発活動に対して10年間にわたる資金支援が実施可能となる。この制度は、世界トップクラスの研究機関が長期にわたって着実に研究に取り組む環境を整えるとともに、より多くの民間投資を呼び込み、英国経済の成長を促進し、「変化に向けた計画」の実現を後押しすることが期待されている。

具体的な資金支援については今後数週間のうちに決定される予定であるが、例えば、抗菌薬耐性への対策や量子コンピュータの開発といった、解明と実用化に長期間を要する高度かつ複雑な課題に取り組む研究機関が、十分な時間的猶予を得ることにより、真に価値ある解決策を見出し、人々の生活向上に貢献する可能性が高まる。

また、本制度は、大規模な研究施設や研究設備などのインフラ整備にも長期的資金を提供することで、研究の進展に不可欠なツールや環境が安定的に確保されることを支える。

関係省庁および公的機関が、10年間の資金支援対象を選定・優先付けする際に適用する評価の基準は、次の4つの分野を中心とする。

・インフラおよび基幹的能力
・人材の誘致と定着
・国際的な研究連携
・パートナーシップおよび産業界との連携

今回のガイダンスは、公的機関が、ある時点で、10年間の資金支援を割り当てる研究開発予算の割合の上限を定めることを推奨している。最初の資金支援対象に関する詳細はスペンディング・レビューの第二フェーズで設定される予定である。

[DW編集局]