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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- エネルギー省(DOE)
- 元記事公開日:
- 2025/05/23
- 抄訳記事公開日:
- 2025/06/20
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DOE、鉄鋼用石炭を重要原材料に指定
- 本文:
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(2025年5月23日付、エネルギー省(Department of Energy: DOE)の標記発表の概要は以下のとおり)
クリス・ライトDOE長官は、鋼鉄生産に使用される石炭を2020年のエネルギー法に基づく「重要原材料(critical material)」に指定した。これはトランプ大統領の大統領令「米国の美しくクリーンな石炭産業の復活」に基づく措置である。
DOEの分析により、鋼鉄生産に不可欠な冶金用石炭(製鉄用原料炭)は重要原材料の法的要件を満たしていると判断された。鋼鉄は、エネルギー技術、輸送、防衛システムにとって欠くことのできない素材であり、冶金用石炭や無煙炭などの鋼鉄生産を可能にする原材料は、国家の利益にとって極めて重要とされる。
本指定の根拠は以下の通りである。
▼冶金用石炭は、高炉・塩基性酸素炉法による製鋼で必要とされる燃料かつ反応材であるコークスを製造する上で、独自の物理化学的特性を有する。
▼無煙炭は主にアパラチア地域に集中して産出され、国内鋼鉄生産の約70%を占める電気炉方式において重要な役割を担う。
▼米国の石炭産業は、両製鋼方式に必要な信頼性の高い国産の冶金用石炭と無煙炭を供給可能である。
▼国内には150を超える冶金用石炭鉱が存在し、何万もの米国人を雇用している。
▼一般炭(火力発電用)および冶金用石炭の生産を支えるインフラと労働力は、投資の減少と稼働能力の低下により逼迫しており、適切な対処がなければ、鋼鉄分野における米国の優位性は脅かされかねない。今回の指定は、外国による反競争的行為、サプライチェーンの脆弱性、重要原材料への投資不足など、米国鉄鋼産業が直面する複合的な脅威に対処するものである。また、本指定は、大統領による鋼鉄輸入調整の宣言に即して行われたものであり、戦略的サプライチェーンの強化と再工業化の取り組みを後押しするものである。
[DW編集局]