（2025年6月3日付、商務省（DOC）の標記発表の概要は以下のとおり）

ハワード・ラトニック商務長官は、トランプ大統領の指示に基づき、従来の「米国AI安全研究所（U.S. AI Safety Institute）」を「AI標準・イノベーションセンター（Center for AI Standards and Innovation: CAISI）」へと再編する方針を発表した。

CAISIは、米国政府における商用AI関連業務の中核拠点として、以下の機能を果たす：

▽国立標準技術研究所（NIST）と連携し、AIシステムの安全性向上に向けたガイドラインとベストプラクティスを提供。AI関連業界の自主的な標準策定を支援
▽民間AI開発者・評価機関と自発的協定を締結し、国家安全保障に関わるサイバーセキュリティ、バイオセキュリティ、化学兵器リスクなどに対する公開可能な形での検証・評価を実施
▽米国および潜在的競合国のAIシステムに関する能力評価や国際競争状況の分析
▽敵対的AIの採用やその悪影響に対するセキュリティ脆弱性の分析（例：バックドア、意図的な不正操作）
▽国防総省、エネルギー省、国土安全保障省、インテリジェンス機関などと協力し、AI評価手法の共同開発と標準化を推進
▽外国政府による過剰な規制への対抗と、国際的AI標準の形成における米国主導の確立

CAISIは今後もNISTの一機関として運営され、NIST情報技術研究所や商務省の産業安全保障局など他の組織とも連携を図っていく。

[DW編集局]