[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国政府説明責任局(GAO)
元記事公開日:
2025/06/04
抄訳記事公開日:
2025/07/02

保健福祉省への行政勧告:パンデミックに備えた国家的な診断検査体制の整備を

HHS Needs a Coordinated National Approach for Diagnostic Testing for Pandemic Threats

本文:

(2025年6月4日付、米国政府説明責任局(GAO)の標記発表の概要は以下のとおり)

GAOは、パンデミックの脅威となる感染症に対する診断検査体制の強化を目的として、保健福祉省(HHS)の対応能力を評価し、今後の改善方策を提示する報告書を公表した。本報告書は、新型コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES法)に基づき、連邦政府のパンデミック対応を監視・評価する一環として作成されたものである。

GAOが開催した専門家会議により、診断検査の開発、展開、ガイダンスの策定、データ収集などについてHHSが講ずべき取り組みが100件近く示された。HHSはこれらに関して、従来の臨床検査機関以外の民間ラボ等が緊急時に検査を実施するための指針の整備など、いくつかの取り組みを進めていると回答した。

専門家の意見は概ね以下の2つに集約される。
・明確な役割分担と協働体制の強化を図る国家的な診断検査戦略の策定
・関係者全体を統括する調整組織の設置

GAOは、これらの課題に対応するため、以下の4つの具体的勧告を提示した。

1.パンデミック感染症に対応する国家的な診断検査戦略を策定し、目的、役割分担、関係者の関与、成果指標、リスク管理、資源の明示といった6つの要素を盛り込むこと。
2.今後の感染症危機や関連訓練で得られた教訓を反映し、同戦略を定期的に更新すること。
3.HHS、連邦諸機関、州・地方政府、民間、学術機関、非営利団体等からなる診断検査フォーラムを新設または既存組織を拡張し、関係者を広く包含すること。
4.このフォーラムが危機発生前および発生時にも定期的に開催され、双方向の意思疎通と国家戦略の維持・更新に資するよう体制を整えること。

[DW編集局]