[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2025/05/22
抄訳記事公開日:
2025/07/02

欧州委、第三国における知的財産権の保護と執行に関する報告書を更新

Commission releases Report on Intellectual Property Rights in Third Countries, Counterfeit & Piracy Watch List

本文:

(2025年5月22日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会は2025年5月22日、「第三国における知的財産権(IPR)の保護と執行に関する報告書(Report on the Protection and Enforcement of Intellectual Property Rights (IPR) in Third Countries)」を2年ぶりに発表した。本報告書は、EUの経済的利益に深刻な損害をもたらしている第三国における知的財産権制度の不備を特定し、その影響を分析している。併せて発表された「模倣品・海賊版監視リスト(Counterfeit and Piracy Watch List)」では、近年の偽造および海賊行為の動向を概説し、関係者から報告された海賊版コンテンツや偽造品を提供するウェブサイトおよび実店舗をリストアップしている。

欧州委員会は、知的財産権の保護と執行体制がEUにとって最も懸念される国々を「優先国(priority countries)」として分類しており、中国を引き続き最優先国に位置づけている。これにインドおよびトルコが第2優先国として続き、さらにアルゼンチン、ブラジル、エクアドル、インドネシア、ナイジェリア、タイの6ヵ国を第3優先国として指定している。

欧州委員会は、これらの報告書とリストを、第三国との間で行われる知的財産権の保護および執行に関する政府間協議、作業部会、ならびに進行中の技術協力プログラムにおいて、貿易相手国との協力を継続するために活用する方針である。また、これらの文書は、とりわけ中小企業を含むEU域内の権利者に対し、優先国での事業活動に伴い想定される知的財産権上のリスクに関する理解を深める一助となるほか、消費者には問題のある供給源からの購入に内在するリスクへの認識を促し、各国の執行当局には侵害行為への的確な対応を促す情報基盤としても機能する。

[DW編集局]