[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2025/06/23
抄訳記事公開日:
2025/07/04

科学技術政策局、連邦省庁・機関に「ゴールドスタンダード・サイエンス」導入の指針を発出

OSTP Issues Agency Guidance for Gold Standard Science

本文:

(2025年6月23日付、大統領府による標記発表の概要は以下のとおり)

科学技術政策局(OSTP)は本日、2025年5月23日に発出された大統領令「ゴールドスタンダード・サイエンスの再確立」に基づき、連邦政府が実施または支援する科学研究にゴールドスタンダード・サイエンスの原則を体系的に導入するための指針を策定・公表した。本指針は、科学的厳密性と透明性を高める制度的枠組みを提供するものであり、公共の信頼の回復と政策形成の科学的基盤の強化を目的としている。

本指針では、科学的方法に対する制度的支援の原則として、以下の9項目が「ゴールドスタンダード・サイエンス」の基本原則として定められている:

1. 再現可能性
2. 透明性
3. 誤差と不確実性の明示(訳注:測定上のばらつき、統計的限界、方法論的制約などの説明を含む)
4. 学際性および協働性
5. 成果と前提に対する建設的懐疑
6. 反証可能な形式による仮説構成
7. 中立的な査読の実施
8. 否定的結果の積極的評価
9. 利益相反の排除

各連邦省庁・機関は、これらの原則が研究文化、資金配分、公募制度、成果報告、人材育成にどのように反映されているかを明示した実施計画を、指針発出から60日以内にOSTPへ提出・公開する義務を負う。また、過度な事務負担を回避しつつ効率的に実装することが求められており、AI等の先端技術を活用して、再現性の検証、データ共有の透明化、査読バイアスの検出、利益相反の管理を支援する取り組みが奨励されている。

なお各機関には、今後ゴールドスタンダード・サイエンスの実装状況について毎年9月1日までに年次報告を提出する義務が課されている。

本指針は、研究活動の改善にとどまらず、科学的知見の信頼性向上を通じて国民との信頼関係を再構築し、エビデンスに基づく科学において米国が世界をリードすることを目指すものである。大学、学術誌、産業界、資金助成機関を含む科学エコシステム全体への波及効果が期待されている。

[DW編集局]