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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 米国科学振興協会(AAAS)
- 元記事公開日:
- 2025/06/23
- 抄訳記事公開日:
- 2025/07/16
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AAAS調査:オープンライセンスに対する科学者の理解と懸念
- 本文:
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(2025年6月23日付、米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science:AAAS)の標記発表の概要は以下のとおり)
ジャーナルに研究成果を発表する科学者は、一般に自らの研究が広く共有され、再利用されることで分野の知見や関連領域の発展に寄与することを強く望んでいる。そのため、多くはCC BYなどのオープンライセンスを選択し、科学成果の幅広い再利用を促している。しかし、オープンアクセス出版で一般的なこれらのライセンスについても、特に下流利用権の正確性に関してはまだ不明瞭な点がある。
こうした背景から、AAASは2024年秋、分野やキャリア段階の異なる220名以上の研究者を対象に、オープンライセンスの影響、特に下流利用権の正確性に関する科学者の理解度と認識を調査した。加えて、ライセンス選択によるその他の影響も併せて評価した。
調査結果によれば、多くの研究者はオープンライセンスの具体的内容について十分に理解していない一方で、依然としてオープンライセンスの利用を希望していることが明らかとなった。また、研究成果のメディアでの誤用や営利目的での無断利用に対する懸念が根強く存在している。特に最大の懸念事項として、研究成果が誤用・誤表現された場合に、研究者が対応できないという認識が約40%の回答者から示された。
ただし、オープンライセンスではなく出版社ライセンスの下で公開された論文については、著者の要請に応じて出版社が再利用に介入できる場合があり、AAASも実際に対応している事例がある。AAASは、こうした介入の可能性が研究成果の正確性を維持するうえで重要であると強調している。
科学の信頼構築のため、研究成果の公表から下流利用に至る過程での正確性担保が重要な課題となっている。
[DW編集局]