[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
マックスプランク協会(MPG)
元記事公開日:
2025/06/25
抄訳記事公開日:
2025/07/18

ブルマーン元教育研究大臣にハルナック・メダルを授与しドイツ科学政策改革の歴史的貢献を顕彰

Harnack-Medaille für Edelgard Bulmahn

本文:

(2025年6月25日付、マックスプランク協会(MPG)の標記発表の概要は以下のとおり)

マックスプランク協会は、マグデブルグで開催した第76回年次大会の冒頭で、ドイツ社会民主党(SPD)所属で元連邦教育・研究大臣のブルマーン(Edelgard Bulmahn)氏に対し、同協会最高の栄誉であるハルナック・メダルを授与した。冒頭、ザクセン=アンハルト州ハーゼロフ首相は、MPGが同州にとって重要な原動力であること、そしてブルマーン氏が大学における卓越した科学研究を支援するエクセレンス・イニシアチブを創設し、大学とマックスプランク協会のような公的研究機関とのネットワーク強化に貢献したことを高く評価した。

2017年に連邦議会を引退する際、ブルマーン氏は、「私は極めて刺激的な時代に政治活動を行う幸運に恵まれた」と述べた。30年にわたる政治経歴の中で、教育・研究政策の専門家として活動し、1998年から2005年にかけて連邦教育研究大臣を務めた。最後のインタビュー(週刊紙「ディー・ツァイト」)では、自身の業績を問われ、「教育と科学を社会全体に、そして政治の場でも、これまで以上に深く根付かせることができた」と語っている。

ブルマーン氏の在任中には、ボローニャ改革、奨学金制度改革、給与制度改革など、科学技術分野における抜本的な制度改革が実現した。その成果は、科学技術振興年、研究イノベーション協定、さらにはエクセレンス戦略など、今日まで継続している枠組みに結実している。マックスプランク協会のクラーマー会長は、「ブルマーン氏が7年間の大臣在任中に打ち立てた政策は、ドイツを世界有数の科学技術立国へと導く礎となった。これは自然に成し得たものではなく、同氏の揺るぎない信念、卓越した先見性、そして並外れた献身の賜物である。」と称賛した。

ブルマーン氏は謝辞で「科学の自由は特権ではなく、自由で開かれた社会の根幹である」と強調した上で、次のように警鐘を鳴らした。
「いま米国や一部の専制国家で起きている科学に対する攻撃的な動き--とりわけ米国における前例のない科学弾圧は、世界中の研究活動に深刻な影響を及ぼすだろう。もしドイツで極右政党のAfD(ドイツのための選択肢)が各州や連邦で多数を占めるような事態になれば、同様の動きが起こる可能性も排除できない。」

最後にブルマーン氏は、「マックスプランク協会は、ドイツの科学技術システムにおける最も重要な柱の一つであり、科学的卓越性、知的探求に基づく研究、そして科学の自由を体現している。ドイツ連邦共和国の初代研究大臣として、ハルナック・メダルを授与されたことは、私にとってこの上ない栄誉であり、これ以上ない喜びである。」と述べ、謝辞を締めくくった。

[DW編集局]