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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2025/06/25
- 抄訳記事公開日:
- 2025/07/31
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欧州委、デュアルユースの研究・イノベーションに関する報告書を2本発表
New publications on dual use provide strategic input for future EU R&I policies
- 本文:
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(2025年6月25日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会は、デュアルユースの研究・イノベーション(R&I)に関する独立専門家による報告書を2本公表した。これらの報告書は、民間と防衛の双方で利用可能な技術への理解を深め、次世代のEUファンディング・プログラムに関する政策議論や情報に基づく意思決定に資するものである。
1つ目の報告書は、研究・イノベーションの経済的・社会的影響に関する専門家グループ (ESIR) が作成したポリシーブリーフ「EU研究・イノベーション投資を最大限に活用する:デュアルユースの再考(Making the most of EU Research and Innovation Investments: rethinking dual use)」である。本報告書は、安全保障、戦略的自律性、競争力、持続可能性の促進に向け、デュアルユースの研究・イノベーション資金が果たす戦略的役割を強調し、当初から民生・防衛の両用途を明確に意図して設計する「デュアルユース・バイ・デザイン(dual-use by design)」アプローチの採用を推奨している。その他の重要な指摘事項として、デュアルユースの研究・イノベーションが研究生産性を向上させ、防衛と民生研究の相乗効果を促進すること、倫理的配慮とガバナンスが不可欠であること、啓発活動、研究成果の移転、科学者と防衛専門家の連携などによるデュアルユースの可能性拡大に向け、新たな方策の検討が必要であることが挙げられている。
2つ目の報告書である「デュアルユース研究・イノベーションの可能性を解き放つ(Unlocking the potential of dual-use research and innovation)」は、民間と防衛の研究コミュニティの専門家が執筆し、デュアルユースの研究・イノベーションが実際にどのように機能するかについて、具体的な事例やケーススタディを提示している。また、民間と防衛の相乗効果に伴う機会と課題に関するエビデンスも示し、研究実施機関、中小企業、スタートアップ企業、スケールアップ企業の視点から、デュアルユースの研究・イノベーションの実践的な実施状況を明らかにしている。さらに、世界各国の政策、戦略、ファンディング・プログラムの事例やベンチマークも紹介している。
[DW編集局]