[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国宇宙庁(UKSA)
元記事公開日:
2025/07/03
抄訳記事公開日:
2025/07/31

英国宇宙庁、増大する宇宙ゴミの除去ミッションに向けた調達プロセスを開始

UK launches tender for mission to clean up space and safeguard vital services

本文:

(2025年7月3日付、英国宇宙庁(UKSA)の標記発表の概要は以下のとおり)

英国宇宙庁は、増大する宇宙ゴミの脅威に対処するため、新たな大規模調達プロセスを開始した。使用済みの衛星を軌道から積極的に除去する英国初のミッションに関して、総額7,560万ポンドを提供する。これは、重要な宇宙インフラを保護し、軌道環境の長期的な安全性を確保する上で、英国の取り組みにおける極めて重要な一歩となる。

提案されているアクティブ・デブリ除去(Active Debris Removal:ADR)ミッションの中核となるのは、英国製の最先端ロボット技術および自律航法技術を搭載した特別設計の宇宙機である。この宇宙機が、機能を停止した英国認可の2基の衛星を捕獲し、低軌道から安全に離脱させることが計画されている。

この宇宙機は、これらの使用済みの衛星を地球大気圏に再突入させ、燃却処理を行うことで、GPS、気象予測、緊急通信といった重要なサービスを支える衛星ネットワークへの潜在的な脅威を排除する。

今回の資金提供プロセスは、急速に進展を遂げる、宇宙空間での保守・組立・製造(in-space servicing, assembly, and manufacturing:ISAM)領域において、国内での専門知識養成を保護し、英国のリーダーシップを強化するものである。

このたび英国宇宙局は、2028年末までに宇宙機を打ち上げるというミッションを伴う、5年間の研究開発契約の担い手となる単独のサプライヤーを募集している。これは、2021年以来既に1,100万ポンドが投資されてきたフィージビリティ・スタディと設計作業に続くものであり、クリーン宇宙大国を目指す政府の長期的責任を強調する取り組みである。

[DW編集局]