[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ヘルムホルツ協会(HGF)
元記事公開日:
2025/07/03
抄訳記事公開日:
2025/08/14

ドイツ最大規模の医学研究連携体「M1ミュンヘン医学同盟」の設立

Start der M1 Munich Medicine Alliance

本文:

(2025年7月3日付、ヘルムホルツ協会(HGF)の標記発表の概要は以下のとおり)

M1ミュンヘン医学同盟(M1 Munich Medicine Alliance)の設立は、ミュンヘンにおける医学および健康研究分野における協力の新たな段階の始まりを示すものとなった。ミュンヘン大学(LMU)、ミュンヘン工科大学(TUM)、ミュンヘンの2つの大学病院、ヘルムホルツセンター・ミュンヘンが、共通の組織体制の下で専門性を結集する。この提携の目的は、橋渡し(トランスレーショナル)研究の強化と、科学的知見の臨床応用への持続的な移行の促進にある。

設立式典において、バイエルン州のブルーメ科学大臣は次のように述べた。「ミュンヘンの大学医学の卓越性を、初めて大学外のパートナーであるヘルムホルツ・ミュンヘンと共に一つの枠組みの下に結集し、ドイツで最も強力な先端医療のユニットを創設する。ミュンヘンはドイツの医療の首都となる。臨床試験分野で巻き返しを図り、ドイツを再び“世界の薬局”とすることを目指す。また、健康データの活用においても新たな道を切り開き、人工知能(AI)の可能性とあわせて、革新的な治療法の進展が期待される。科学的成果を直接ベッドサイドに届け、新たなビジネスモデルの創出にもつなげていく。M1ミュンヘン医学同盟は、これに最適なプラットフォームである。」

M1ミュンヘン医学同盟は、橋渡し研究と技術移転に重点を置く。約3,500件の臨床試験と3,420床の病床を有するミュンヘンの大学病院群は、ドイツ国内でも最大級の医療研究体制を備える。M1ミュンヘン医学同盟は、特に医学とバイオテクノロジー分野における技術移転や起業支援に重点的に取り組むとともに、官僚的な障壁の低減や、国際的な研究者・企業にとっての拠点としての魅力向上も図る。バイエルン州はこの構想を、年間1,000万ユーロの追加助成により支援する。

ヘルムホルツセンター・ミュンヘンのCEO兼科学総括責任者であるチェップ(Mathhias Tschöp)教授は、「M1ミュンヘン医学同盟により、ミュンヘンはドイツ国内で医療分野のリーダー的地位に立つ。基礎から臨床まで、主要な医療関係機関の連携により大きな相乗効果が生まれ、医学研究の可能性が大きく拓かれる。この恩恵は、関係機関、産業界、そして患者に広く及ぶだろう」と述べている。

M1ミュンヘン医学同盟は、バイエルン大学病院法に基づく公法財団として設立され、同財団の理事会にはLMUおよびTUMの医学部長、両大学病院の医療ディレクター、ならびにヘルムホルツの研究ディレクターが名を連ねている。

[DW編集局]