[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2025/06/25
抄訳記事公開日:
2025/08/14

欧州委員会、クリーン産業を支援する国家援助枠組みを採択

New State aid framework enables support for clean industry

本文:

(2025年6月25日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会は6月25日、クリーン産業協定(Clean Industrial Deal)を推進するための「クリーン産業ディール国家援助枠組み(CISAF:Clean Industrial Deal State Aid Framework)」を採択し、加盟国がクリーンエネルギー、産業の脱炭素化、クリーン技術の開発を一層推進できるようにした。

CISAFは、EUの国家援助(State aid)規制に基づき、加盟国が特定の投資や政策目標に対して支援を行う条件を定めるものである。これにより、欧州委員会は、加盟国が導入するクリーン産業促進のための支援制度を承認し、個別支援の迅速な展開を可能にする。

CISAF は 2030 年 12 月 31 日まで有効であり、加盟国および企業に長期的な予測可能性を提供する。2022年から暫定的に導入されていたTemporary Crisis and Transition Framework (TCTF)に代わるものである。

本枠組みは、以下の5つの重点分野において国家援助規制を簡素化する:

・再生可能エネルギーおよび低炭素燃料の導入
・低コストのクリーン電力への移行を促すため、エネルギー集約型事業者に対する一時的な電力料金の軽減措置
・既存の生産施設の脱炭素化
・EU域内のクリーン技術製造能力の拡充
・クリーンエネルギー、脱炭素化、クリーン技術、エネルギーインフラ、循環経済を支援するプロジェクトへの投資リスクの軽減

CISAFにより、電化、水素、バイオマス、炭素回収・利用・貯留(CCUS)など、幅広い脱炭素化技術への支援が可能となる。

加えて、企業がクリーン技術製品への需要を高めるための税制優遇措置や、民間投資のリスク軽減を目的とした出資・融資・保証などの財政支援措置も認められ、加盟国がクリーンテクノロジー製品の需要を刺激することが可能になる。

[DW編集局]