[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2025/06/25
抄訳記事公開日:
2025/08/15

欧州委、宇宙活動の安全・強靭性・持続可能性確保に向けEU宇宙法案を発表

Commission proposes EU Space Act to boost market access and strengthen space safety

本文:

(2025年6月25日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会は6月25日、欧州の宇宙セクターをよりクリーンで安全かつ競争力のあるものとし、欧州域内と輸出先市場での成長を促進するための新たな包括的な法案「EU宇宙法(EU Space Act)」を提案した。

EU宇宙法は、手続きの簡素化、宇宙資産の保護、企業にとって公正かつ予測可能な競争環境の創出を目的としている。本法案は次の3つの柱に基づいている。

・安全性
現在、約1万1,000基の衛星が軌道上に存在し、今後10年間でさらに約5万基の打ち上げが見込まれている。同時に、すでに約1億2,800万個の宇宙ゴミが周回しており、衝突リスクが急激に高まっている。最悪の場合、これらの衝突が連鎖的に発生し、主要な軌道が使用不能となり、重要な衛星サービスへのアクセスが断たれる恐れがある。こうした事態を防ぐため、EU宇宙法は宇宙物体の追跡能力の向上や新たな宇宙ゴミの抑制に向けた措置を導入し、運用終了時の安全な衛星の廃棄などの要件を盛り込んでいる。

・強靭性
宇宙インフラは、衛星、地上の基地局、通信回線などに対するサイバー攻撃や電子的妨害により、衛星の喪失や重要なサービスの混乱を招く可能性がある。このため、EU 宇宙法は、すべての宇宙事業者に対し、衛星のライフサイクル全体にわたりリスク評価を徹底し、宇宙分野に特化したサイバーセキュリティ規制の適用やインシデント報告を義務付ける。

・持続可能性
宇宙活動の拡大に伴い、資源管理、CO2排出抑制、宇宙ゴミ対策が不可欠となっている。EU宇宙法は、環境への影響を測定する共通ルールを設定し、衛星の寿命延長や宇宙ゴミ削減に資する宇宙でのサービスをはじめとするイノベーションを促進する。

新たな規則は、EUおよび加盟国の宇宙資産に加え、欧州でサービスを提供する非EU加盟国の事業者にも適用される。規制要件は、企業の規模と成熟度に応じて調整され、関連するリスクに基づいて判断される。

[DW編集局]