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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ヘルムホルツ協会(HGF)
- 元記事公開日:
- 2025/08/12
- 抄訳記事公開日:
- 2025/09/17
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ラボからスタートアップへ:新博士課程プログラムが研究者の起業への道を拓く
Aus dem Labor zum Startup: Neues Promotionsprogramm ebnet Forschenden den Weg in die Ausgründung
- 本文:
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(2025年 8月12日付、ヘルムホルツ協会(HGF)の標記発表の概要は以下のとおり)
HGF、Deep Science Ventures、および飛躍的イノベーション機構(SPRIND)は共同で「ベンチャー科学博士号(Venture Science Doctorate,VSD)」プログラムを支援する。この新しい博士課程プログラムは、健康、気候、技術の分野で世界的課題に取り組むスタートアップを創設する研究者を育成するものである。また、研究機関や公的機関に対し、科学教育・イノベーション・アントレプレナーシップにおける新たな取り組みを促す。
新しい博士課程:VSDは、3年間の全額支援型博士課程で、従来の研究アプローチに加え、ベンチャー開発を重点とした教育を行う。研究者は自身の研究テーマを設定し、社会的要求に対応するスケーラブルな技術ソリューションを開発する。SPRINDは、気候適応、持続可能エネルギー、水資源の安全、パンデミック予防、小児がんの5分野の博士課程研究者を支援する。
研究からスタートアップへ:Deep Science Venturesは、これまでに多くの科学ベースのスタートアップ創出を支援しており、ビル・ゲイツ、サム・アルトマン、パトリック・コリソンなどの著名投資家と協働してきた。博士課程研究者は研究からスタートアップ創設までの体系的なプロセスを経る中で、生活費、研究費、旅費の支援を受ける。また、30を超える学術・産業パートナーとのグローバル・ネットワーク、ベンチャー構築フレームワーク、AI支援ツールを活用して、起業家スキルの習得や投資家対応の準備を行うことができる。
HGFの役割:HGFは中心パートナーとして、博士課程プロジェクトの指導、HGF内での学際的協力の推進、国際パートナーとの試作や商業化支援を行う。
この協働プログラムは、HGFが新たに開始したバイオメディカル・エンジニアリング・イニシアチブの一部であり、革新的ソリューション開発とスタートアップ創出を加速することを目的としている。
HGFのバイオエンジニアリング・センター長であるヌツィアクリストス教授(Prof. Vasilis Ntziachristos)は次のように述べた。「単に発見するだけでなく、解決策を生み出すことを使命とする人材を必要としている」。
VSDは 2026年コホート(2026年度に開始する博士課程研究者グループ)への応募を受け付けており、科学を基盤とし、スケーラブルなスタートアップを目指す応募者を募集している。
[DW編集局]