[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2025/09/19
抄訳記事公開日:
2025/10/24

トランプ大統領、H-1B非移民労働者入国制限布告─米国人雇用保護と国家安全保障強化

Fact Sheet: President Donald J. Trump Suspends the Entry of Certain Alien Nonimmigrant Workers

本文:

(2025年9月19日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり)

トランプ大統領は本日、特定のH-1B非移民労働者の米国入国を制限する大統領布告に署名した。

[編集局注:H-1Bは、米国企業などがスポンサーとなり、工学、科学などの専門職に従事する外国人労働者向けの非移民ビザで、関連分野の学士号以上の学位または同等の専門知識・経験が求められる。]

布告の概要は以下のとおり。

・ 新規H-1B申請には10万ドルの支払いを申請書に添付するか、必要に応じて補充することを義務付け、支払いのない申請に基づく入国は制限される。

・ 国土安全保障長官は、国外にいる外国人の支払いを伴わない申請を承認せず、国益に資する場合のみ個別例外を認める。

・ 雇用主は支払い証憑を保持し、国務省が審査時に確認する。支払い不履行の場合、国務省と国土安全保障省は入国を拒否し、必要な措置を講じる。

・ 労働省と国土安全保障省は、検証・執行・監査・罰則に関する共同ガイドラインを発出する。

・ 労働長官はH-1B賃金水準改訂の規則制定に先駆けて取り組み、国土安全保障長官は高技能・高賃金のH-1B労働者を優先する規則制定を開始する。

本布告の背景には、H-1B制度は低賃金外国人労働力の流入により米国人労働者の雇用減少や賃金低下、STEM(科学・技術・工学・数学)分野の職業選択阻害の要因となっているとの認識がある。

IT分野のH-1B保有者割合は2003年度の32%から65%超に上昇し、コンピュータ科学・工学専攻の卒業生の失業率は他専攻の倍以上である。2000~2019年に外国人STEM労働者数は2倍以上に増加する一方、STEM雇用全体の伸びは44.5%にとどまった。複数の企業がH-1B承認を得つつ米国人従業員を大規模に解雇し、米国人のIT労働者が後任者の外国人を秘密保持契約下で訓練させられる事例も報告されている。

本布告は、制度乱用是正、賃金維持、国家安全保障確保のため、企業に高いコストを課す措置を導入するものである。

[DW編集局]