[本文]
-
- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国立衛生研究所(NIH)
- 元記事公開日:
- 2025/09/22
- 抄訳記事公開日:
- 2025/10/27
-
NIH、自閉症データサイエンス・イニシアチブ立ち上げに5,000万ドル投資
NIH launches $50M Autism Data Science Initiative to unlock causes and improve outcomes
- 本文:
-
(2025年9月22日付、国立衛生研究所(NIH)の標記発表の概要は以下のとおり)
NIHは、自閉症の原因解明と転帰改善を目指し、総額5,000万ドル規模の「自閉症データサイエンス・イニチアチブ(ADSI)」を開始した。本計画は、自閉症スペクトラム障害の原因と有病率増加の要因を大規模データ解析により追求する画期的な研究プロジェクトである。
NIHのバッタチャリア所長は、「ADSIにより遺伝学、生物学、環境曝露データを統合することで、自閉症理解を深化させ、患者の生活改善に資する前例のない成果を導く」と述べた。
ADSIの特徴は、遺伝学と生物学を、環境・医学・生活要因と包括的に結合するエクスポソミクス(exposomics)の手法にある。農薬や大気汚染物質などの環境汚染物質、母体の栄養と食事、周産期合併症、心理社会的ストレス、妊娠中および早期発達期の免疫反応など、幅広い影響を調査する。支援対象の研究例には、出生前曝露と遺伝的リスクの相互作用解析、因果推論による有病率上昇の要因究明、成人期の地域参加やメンタルヘルス改善策の検討などが含まれる。
疾病対策センター(CDC)によれば、米国の自閉症有病率は1970年代の約2,000人に1人から、現在は約31人に1人へと増加し、社会的交流や行動様式に広範な影響を及ぼしている。自閉症研究の緊急性は高まる一方で、その根本要因は依然として複雑である。既存研究では遺伝的因子が主要因とされる一方、環境曝露や母体の健康状態など非遺伝的要素は未解明な部分が多い。ADSIは、機械学習法、エクスポソーム全体解析、オルガノイドモデルなどの先端手法を用い、遺伝子・環境相互作用や有病率変化の要因を多角的に解析する取り組みである。
[DW編集局]