[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ工学アカデミー(acatech)
元記事公開日:
2025/09/30
抄訳記事公開日:
2025/11/07

インダストリ4.0新報告書:ドイツ産業の競争力と主権的デジタル価値創造に向けた政策指針

Industrie 4.0 – Zentrales Leitbild für eine wettbewerbsfähige und nachhaltige Industrie“ vom Forschungsbeirat Industrie 4.0 und der Plattform Industrie 4.0

本文:

(2025年9月30日付、ドイツ工学アカデミー(acatech)の標記発表の概要は以下のとおり)

インダストリ4.0研究諮問委員会およびインダストリ4.0プラットフォームは、報告書「インダストリ4.0 - 競争力が有り持続可能な産業のための指針」において、ネットワーク化された産業による価値創造の将来に関する主要な論点と、今後の行動の方向性を提示した。

インダストリ4.0は第4次産業革命を意味し、世界的に共有され、引き続き極めて重要な産業発展の中核的ビジョンであり続けている。その進展は、学術界と産業界の協働による相乗効果、ならびに政策的支援イニシアチブを通じて実現されつつある。

インダストリ4.0研究諮問委員会が提示する研究的展望は、インダストリ4.0プラットフォームによるデジタル変革の具体的実装と整合しており、革新的なビジネスモデルの創出、生産性の向上、雇用の確保に寄与している。最終的な目的は、ドイツ産業の競争力と繁栄を持続的に強化することにある。

本報告書は次の7つの視点から構成されている。
1. インダストリ4.0 ― 第4次産業革命
2. インダストリ4.0プラットフォームとインダストリ4.0研究評議会 ― 経済と科学の相乗効果
3. 産業における人工知能 ― ネットワーク化システムからスマートファクトリへ
4. デジタル基盤 ― 拡張性と主権性の基礎
5. データエコシステム ― ネットワーク化された知的生産の中核要素
6. インダストリ4.0に関する研究の展望
7. ドイツ産業の価値創造および競争力強化に向けた行動の方向性

インダストリ4.0は、個別化された製品を大量生産と同等のコストで自動的に製造し、同時に人間の作業環境を支援することを可能にする。その結果、産業および経済拠点としてのドイツの競争力を確保できる。主権的なデータ空間は、企業間のデジタル連携およびスマートファクトリの実現において重要な役割を果たし、5Gのような堅牢なデジタルインフラがその基盤として不可欠である。

インダストリ4.0研究諮問委員会は、今後10年間を見据え、「ビジネスモデル」、「エンジニアリング」、「環境的持続可能性」、「労働の未来」の4分野に関する研究ロードマップを作策中である。

ドイツの産業拠点は現在、急速な構造転換のただ中にある。従来の硬直的な供給・イノベーション・価値創造の連鎖構造が崩れ、デジタル・エコシステム内の動的なネットワークへと移行しており、それに伴って圧力を受けている。さらに、欧州、中国/アジア、米国などの地域経済圏が次第に異なる方向に動き始めており、それに伴う地球規模のシステム的不確実性が強まっている。特に、自動車、機械、化学などの伝統的産業がその影響を大きく受けている。

ドイツおよび欧州において主権的なデジタル価値創造を確立するためには、ITや情報通信のみならず、医療技術や量子コンピューティングといった将来を切り拓く分野も統合的に組み込む必要がある。従って、ドイツ産業はインダストリ4.0が示す方向性に沿い、技術的変革を超えた包括的な変化に迅速かつ果断に取り組むことが求められている。

インダストリ4.0研究諮問委員会およびインダストリ4.0プラットフォームは、ドイツ産業が直面する構造的転換とデジタル化の課題に関して共通の現状認識を形成し、その分析に基づいて今後取るべき主要な行動オプションを提示した。

[DW編集局]