[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国大学協会(AAU)
元記事公開日:
2025/10/10
抄訳記事公開日:
2025/11/12

AAU、連邦政府の高等教育協定案に懸念表明 ― 競争的研究助成制度の維持を要求

Statement Of AAU President Barbara R. Snyder On The Administration’s Higher Education Compact

本文:

(2025年10月10日付、米国大学協会(AAU)の標記発表の概要は以下のとおり)

AAUのバーバラ・R・スナイダー会長は、トランプ政権が提示した高等教育協定(Compact for Academic Excellence in Higher Education)に関し、以下の声明を発表する。

[編集局注:本声明の発表時点で米国政府からの正式な発表はないが、トランプ政権が主要9大学に対して、連邦資金を優先的に受け取る条件として協定への署名を要求する書簡を送ったことが報じられている。]

AAUは、政府の「米国の高等教育は世界の羨望の的であり、国家にとって重要な戦略的資産である」という認識に賛同する。さらに協定に示された多くの一般原則、例えば学生・家庭の負担軽減、学問の自由と健全な議論の促進、入学・採用・昇進における不法差別の排除、米国研究活動の安全確保に協力する姿勢についても賛同する。

一方で、AAUは、競争的かつ能力主義に基づく研究助成システムを損なう可能性のある協定や政策に対して重大な懸念を表明する。このシステムは、第二次世界大戦以降、連邦政府・産業界・大学の協力により、米国の科学技術、経済発展、高度人材の育成、国民の健康・安全保障の向上を支えてきた。

米国高等教育が世界の羨望の的となったのは、大学の独立性と、法に基づき政治的影響から自由に学問と研究の卓越性を追求してきたことに起因する。連邦政府の支援は、いかなる政権であれ、政権との思想的一致を条件としてはならない。

AAUは、これらの基本原則を損なうことなく、連邦政府と研究大学との重要なパートナーシップの再構築に向けて協力する意向である。

[DW編集局]