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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中央人民政府
- 元記事公開日:
- 2025/10/11
- 抄訳記事公開日:
- 2025/11/13
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「生物医学新技術の臨床研究および応用に関する管理条例」の解説
- 本文:
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中国国務院は、9月12日,「生物医学新技術の臨床研究および応用に関する管理条例」を承認した。(施行は、2026年5月1日)
この条例に関し、司法部および国家衛生健康委員会の責任者が記者の質問に答えた概要は次のとおり。
◇条例制定の背景
生物医学は、疾病の予防、診断、治療など医療の進歩とヘルスケアの発展を牽引している。中国はこの生物医学の発展を重視し、継続的な政策でイノベーション主導の研究開発を支援してきたが、一方で安全とのバランスが取れた研究を推進する必要がある。この条例で生物医学の臨床研究および応用の管理を制度化することで、安全で質の高い医療の進歩とイノベーションを確保しつつ人間の尊厳と健康を守る。◇原則
1. 人々の健康を最優先とし、リスクの予防と管理、安全性の確保に重点を置く。
2. 生物医学の新技術の臨床研究と応用を支援し、イノベーションと発展を推進する。
3. 研究機関と臨床機関の責任と義務を明確にし、これらの履行を強化する。◇新たな技術の臨床研究に関する規定
1. 事前に安全性と有効性が証明され、学術的および倫理的審査に合格する必要があり、法律、法規で禁止もしくは重大な倫理的懸念がある技術は、臨床研究を行うことができない。
2. 国務院の衛生健康部門は申請された臨床研究を評価してリスクに迅速に対処し、研究を停止させることもある。
3. 臨床研究機関は、研究計画に従って臨床研究を実施し、リスクの予防、管理、対応措置を講じなければならない。◇臨床研究の応用を支援するための規定
1. 臨床試験において安全性、有効性、倫理的遵守が証明された技術は、国務院の衛生健康部門の承認を得て、臨床研究の応用に進むことができる。
2. 国務院の衛生健康部門には、新技術の臨床応用を承認する際、当該技術を適用する医療機関および専門技術者に対する要件、ならびに臨床応用プロトコルの公表と遵守義務がある。
3. 国務院の衛生健康部門は、臨床応用に際し、安全性と有効性を保証する再評価をしなければならない。◇被験者の権利保護規定
1. 被験者の権利の保護に関する基本的要件を明確にした。
2. 臨床研究の実施には被験者またはその保護者からの書面によるインフォームドコンセントを得なければならない。
3. 臨床研究の実施には、被験者に関連費用を請求してはならない。
4. 臨床研究によって被験者の健康が損なわれた場合、臨床研究機関は速やかに治療を提供しなければならない。
5. 関係機関は法に基づき被験者のプライバシーと個人情報を保護する義務がある。◇条例の円滑な実施(国家衛生健康委員会)
1. 広報活動や研修を行い、研究機関・医療機関の理解度を高める。
2. 新たな生物医学技術、医薬品、医療機器などの関連規定を整備し、この条例の実施を確かなものにする。
3. 生物医学技術の研究に関するオンラインサービスを整備し、臨床研究の申請、許認可手続き、報告などを支援する。
4. 関連人材、チームを育成して指導・監督や規制・法執行能力を高め、条例の円滑な実施を進める。なお、「生物医学新技術の臨床研究および応用に関する管理条例」は、9月28日に以下のとおり公布されている。(中国語原文)
https://www.gov.cn/zhengce/content/202510/content_7043790.htm [DW編集局]