[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ研究振興協会(DFG)
元記事公開日:
2025/10/17
抄訳記事公開日:
2025/11/13

中独科学振興センター25周年:未来志向の独中学術協力を再確認

25 Jahre Chinesisch-Deutsches Zentrum in Peking: Jubiläum in geopolitisch herausfordernden Zeiten

本文:

(2025年10月17日付、ドイツ研究振興協会(DFG)の標記発表の概要は以下のとおり

2025年10月15日と16日、DFGは、中国の国家自然科学基金委員会(NSFC)とともに、北京に設立された中独科学振興センター(CDZ)の開設25周年を記念する祝賀行事を開催した。

ベッカー(Katja Becker)DFG会長は式典で次のように述べた。「CDZが25年前に開設されて以来、協力関係を継続的に深化させ、学術交流と数多くの研究プロジェクトを推進し、若手研究者の育成を支援してきた。CDZを中心に緊密なパートナーシップと信頼が育まれ、責任ある独中協力のための持続可能な構造が形成された。」

NSFCの竇賢康(Dou Xiankang)会長は、「今後はDFGとともに新たな協力モデルを構築して、中国とドイツの研究者間の交流を深めたい」と述べた。

ベッカー会長はまた、「協力の具体的な在り方については、依然として深刻に受け止めるべき不確実性も存在する。従って、データ法制やデータ保護などの課題に共に取り組むことがとりわけ重要である。」と指摘した。さらに、「私たちは研究者にできる限り高い行動上の安全性を保障することを重視している。そうしてこそ、時代の喫緊の課題に関する優れた共同研究プロジェクトの継続が可能となる」と強調した。

DFGはすでに申請者向けに明確な行動指針を定めている。2018年以降、研究計画の申請時には安全保障上の観点やデュアルユースの可能性を検討し、リスクを明示することが求められている。また、2023年には国際協力におけるリスク対応への勧告を公表し、申請者が、研究計画ごとにリスク評価を行えるようにした。この評価により、潜在的な依存関係を早期かつ先見的に特定し、共同で得られた研究成果を保護することができる。これを踏まえ、2025年7月には、2021年以来初めてとなるDFGとNSFCの共同公募が実施され、機密データやデュアルユースが想定されない、限定的な数学分野(インテリジェント数値数学)が対象とされた。

大学学長のネットワーク会議では、情報・データ交換のモデルなど、独中協力の将来に関する重要テーマについて議論された。これらの分野で共通の理解を築くことが、急速に変化する世界において、両国の学術関係を将来指向かつ強靭なものとし、持続的に発展させる鍵となる。

[DW編集局]