[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWE)
元記事公開日:
2025/10/27
抄訳記事公開日:
2025/12/02

独政府、「競争とAI」専門家委員会が初会合 強固なAI基盤とデジタル主権に向け提言策定へ

Empfehlungen für starke KI-Infrastruktur und digitale Souveränität Deutschlands - Auftaktsitzung der Expertenkommission „Wettbewerb und KI“

本文:

(2025年 10月27日付、ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWE)の標記発表の概要は以下のとおり)

15名で構成される専門家委員会「競争と人工知能(AI)」の全5回の会合のうち第1回会合が、2025年10月27日、ベルリンで開催される。BMWEによって任命された本委員会は、「高性能なAIインフラとデジタル主権」をテーマとする会合から作業を開始し、競争とAIの境界領域における中心的課題に関する行動提言を策定する。

ライヒェBMWE大臣は次のように述べた。「AIは新たな時代の始まりを画し、思考、労働、生活を根本的に変革する。ここで躊躇すれば、未来を逸することになる。AIを理解するだけではなく、勇気と形成への意思をもって、繁栄・成長・進歩の機会としてAIを全面的に受け入れなければならない。そのためには、機能する競争と正しい姿勢が極めて重要である。本分野では専門的知識と実践的なアプローチが必要である。この点に関する勧告を作成してくれる専門家委員会「競争とAI」のメンバーに心から感謝する。」

ポズン(Prof. Rupprecht Podszun)委員長は次のように指摘した。「今、デジタル領域における力が今後数年に向けて配分されつつある。欧州が経済的・政治的依存にさらに深く陥りたくないのであれば、競争に依拠しなければならない。競争は集中を打ち砕き、イノベーションを推進する。我々には両方が必要である。AIは、特に中小企業および産業にとって、イノベーションの推進力となり得る。そこにはデータの宝庫があり、欧州には巨大な潜在力が存在する。」

シューマン(Rolf Schumann)委員長は次のように述べた。「AIは善でも悪でもなく、それをどのように形づくるかによって決まる。本委員会は、我々の価値観に沿ってドイツにおけるこの変化を共に形成する機会を提供する。」

トルーン(Prof. Sebastian Thrun)委員長は次のように強調した。「AIという新興分野における次のステップは、世界第4位の経済大国であるドイツの将来にとって決定的なものとなるであろう。ドイツが将来の世界的テクノロジー企業の本拠地となるのか、それとも過度の規制と地方主義によって、将来の経済の一角に追いやられ忘れられた存在となるのか。この委員会の目標は、ドイツと欧州がこの新しい世界において主導的な役割を担えるよう支援することである。」

本日のキックオフ会合では、ドイツおよび欧州がいかにして高性能かつ主権的なAIインフラを構築し得るかが中心的な論点となる。本委員会は、行動に向けた最初の提言を速やかに決定し、公表する予定である。

本委員会の今後の会合では、次のテーマを扱う予定である。
1)資金とデータ
2)競争保護と規制・規制緩和
3)人材と知識移転
4)イノベーション文化

[DW編集局]