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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 科学・イノベーション・技術省(DSIT)、保健福祉省、英国研究・イノベーション機構(UKRI)、Ahmed政務次官、Vallance閣外大臣
- 元記事公開日:
- 2025/10/24
- 抄訳記事公開日:
- 2025/12/08
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科学の進歩が認知症患者の治療法を変革する
Advances in science set to transform treatments for people living with dementia
- 本文:
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(2025年10月24日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)、保健福祉省、英国研究・イノベーション機構(UKRI)、Ahmed政務次官、Vallance閣外大臣の標記発表の概要は以下のとおり)
ヴァランス科学担当閣外大臣は2025年10月24日、認知症の正式診断を適時に受けられる患者数を大幅に増やすための新たな方策を、2020年代末までに全国的に展開する方針を示した。
英国では、認知症患者が約100万人に達し、その数は2040年までに140万人へ増加すると予測されている。研究者と産業界は、この深刻な疾患と共に生きる人々の生活の質を向上させ、国民保健サービス(NHS)への負担を軽減する新たな方策を創出するため、初期資金として500万ポンドの支援を受けている。
目標は、2029年までに医師による専門医への紹介から18週間以内に正式な診断を受ける患者の割合を、現在の半数未満から92%以上へと引き上げることである。
有望な解決策として、認知症に関連するタンパク質の蓄積を検出する血液検査の開発や、記憶力低下の初期あるいは症状出現前のホルモン変化を捉える唾液分析の研究強化などが挙げられる。
また、スマートスピーカーやタブレット端末を介して作動し、日常生活の行動パターンや認知能力を学習して、個々に最適な脳トレーニングを提案するとともに、日常タスクのリマインダーや簡単な調理支援、家族とのビデオ通話を促す機能を備えたAI搭載ルーチン・アシスタントの開発も想定されている。
この「認知症患者フローR&Iチャレンジ(Dementia Patient Flow R&I Challenge)」は、UKRIが調整を担う「R&Dミッションアクセラレータプログラム」の一環として発表された5件のうち第3弾に当たり、政府の中核的使命の達成に向けて研究開発に明確かつ測定可能な高い目標を設定した初の取り組みである。
[DW編集局]