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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 科学・イノベーション・技術省(DSIT)
- 元記事公開日:
- 2025/11/20
- 抄訳記事公開日:
- 2026/01/06
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政府、「科学のためのAI戦略(AI for Science Strategy)」を発表
- 本文:
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(2025年11月20日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)発表の標記ポリシーペーパーの概要は以下のとおり)
本日、英国をAI主導の科学的発見の最前線に据えることを目的として、15のアクションを設定した「科学のためのAI戦略(AI for Science Strategy)」が発表された。
本戦略には次の2つの目的がある。
・AI主導の科学におけるフロンティア能力の開発
汎用AI科学ツールを開発し、自律型研究インフラを構築する企業や研究者は、発見のプロセスそのものを変革している。これは、英国の能力構築にとって極めて重要な戦略的領域である。これは「AI駆動科学(AI-driven science)」の推進として追求される。・英国の世界的な科学リーダーとしての地位の維持
科学へのAI統合は、国内外の研究環境を再編するものである。成長を創出し、公益に資するためには、この科学の変革に適応しなければならない。これは、①データ、②コンピューティング(compute)、③人と文化、の3つの柱にわたる行動によって追求される。科学分野におけるAI導入の速度は領域によって異なり、また英国はすべての領域で真に世界をリードしているわけではない。本戦略の施策は、既存の英国の強み、「産業戦略(Modern Industrial Strategy)」を含む広範な国の戦略との整合性、AI主導の進歩の機会を基礎として特定された5つの優先領域に重点を置くことになる。すなわち、工学的生物学(engineering biology)、核融合エネルギー、材料科学、医学研究、量子技術の5領域である。
これらの領域における的確な介入は、近い時期に生じる効果を優先し、エコシステムの他領域でも模倣可能な模範事例を創出し、市民が近い将来に実感し得る具体的成果をもたらす。英国の優先領域がいずれも、方法論、研究コミュニティ、データ環境、AI統合の度合いが多様である点は需要であり、介入の実施には、各分野固有のニーズに即した個別のアプローチが不可欠となる。
本戦略では、「科学のためのAIミッション」も開始される。これらは、AIによって可能となる画期的な科学的進展を通じてのみ到達し得る、具体的かつ期限付きの野心的目標である。この一連の介入を実施するにあたり、計算資源、データ資産、招集力、投資などの主要な政策手段を総動員し、さらに最大1億3,700万ポンドの重点投資を行うことで、英国が優先する領域におけるAI駆動科学によるブレークスルーを加速させる。
政府は、科学分野内外での責任あるAI導入の重要性を深く認識している。特に、幻覚や誤りを生じ得る新たなツールの使用に対して科学者がいかに適応するかを理解するとともに、AI導入が研究の完全性に悪影響を及ぼさないようにすることは重要である。政府のアプローチは、研究インテグリティに関する国家枠組みによって方向付けられる。
本戦略全体を通じて、研究関連活動の環境影響の管理や、英国のAIインフラおよびデータ貯蔵に伴う炭素排出量削減が考慮される。持続可能なAI駆動科学における新たなイノベーション機会があり、個々の実験の生産性や、取得されるデータの充実度を高め、化学物質や材料への依存を低減することによって、研究開発パイプライン全体の環境負荷を軽減し得る潜在的応用が検討されている。
「科学のためのAIミッション」の開始は段階的なものとなる。ミッション1は「2030年までに100日以内に臨床試験可能な薬剤を開発して創薬を加速し、新たな治療法の迅速な展開に貢献する」であるが、その他のミッションは2026年に選定される。
[DW編集局]