[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2025/12/15
抄訳記事公開日:
2026/01/21

欧州委、防衛技術ファクトシートを発表 7つの技術分野を解説

From AI to Quantum: How the European Defence Fund shapes the future of EU Defence Technologies

本文:

(2025年12月15日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

人工知能(AI)、高度なクラウド・アーキテクチャ、量子技術、次世代のデジタルおよびセンシング・システムなどの新興技術は、現代の戦争の性質を急速に変革している。防衛態勢を強化し、競争力を維持するため、欧州の防衛産業はこれらの技術をより迅速かつ大規模に設計・開発・実装する必要がある。

欧州委員会の防衛産業・宇宙総局(Directorate-General for Defence Industry and Space)は、重要防衛技術に関する理解を深め、EUレベルで進行中の作業を強調する取り組みの一環として、一連の「技術ファクトシート」を導入した。これらは欧州の安全保障にとって最も関連性の高い技術分野を分かりやすく説明するとともに、欧州防衛基金(EDF)がこれらの技術分野を通じ、EU加盟国間での統一的かつ協調的な防衛対応の構築を支援していることを示している。

EDFは、加盟国全体の企業による革新的防衛技術の創出を目的とした競争力ある共同プロジェクトを支援する。対象を絞った投資を通じ、現代の防衛に不可欠な技術の成熟と運用導入を加速する。

EU防衛技術ファクトシートは、EDFが支援する主要技術分野について分かりやすく概説している。これらの技術が重要である理由、EDFプロジェクトへの組み込み方、そしてその導入が欧州の準備態勢と強靭性をいかに高めるかを説明している。また、これらの先進的解決策の多くが既に具体的な能力へと転換され、防衛産業基盤が現在および将来の運用上の課題への対応を支援していることを示している。デジタル・イネーブラー、先端材料、宇宙関連ソリューション、破壊的技術、防護・状況認識・ミッション有効性を強化するシステムなどの技術分野を含んでいる。

▽人工知能(AI)
AIの潜在能力は軍事戦略の再構築、作戦の再定義、意思決定の革新をもたらす。

▽量子技術
量子技術は急速に発展しており、安全性の高いデータ転送、センシング能力の向上、意思決定の迅速化などに活用可能である。

▽サイバー防衛
サイバー空間が戦略的競争領域となる中、EDFは安全な軍事クラウド・ソリューション、サイバーレンジ、迅速な対応ツール、重要インフラの防護を通じ、サイバー防御力を強化している。

▽防衛のためのバイオテクノロジー
バイオテクノロジーは新たな脅威の防止、検出、対応に革新的な手段を提供する。EDFは2021年以降、防衛医療上の脅威、CBRN(化学・生物・放射線・核)の脅威、バイオテクノロジー・イノベーション、人的要因に関する研究開発に1億9,100万ユーロを投じている。

▽マルチドメイン戦闘クラウド

▽ドローン・対ドローンシステム
ドローンはリアルタイム情報収集、精密攻撃、状況認識の向上を可能にし、対ドローンシステムはあらゆる領域での脅威検知と無効化に重要である。EDFおよびその先行プログラムを通じ、これらの技術には約10億ユーロが投資されている。

▽電子戦(EW)
電磁スペクトルの制御は監視、ナビゲーション、コマンド・システムを支援するあらゆる軍事領域で重要である。EDFの主要施策は、膨大な量のデータのリアルタイム処理を含む次世代EWにおけるEUのリーダーシップ強化に重点を置く。

■ EUの防衛技術・イノベーションについて

EDFの発足以来、欧州委員会は防衛研究開発に40億ユーロ強を投資し、EUを世界有数の防衛投資家に位置付けており、この基金の2021~2027年の総予算は約73億ユーロである。

[DW編集局]