[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ライプニッツ協会ドイツ経済研究所(DIW)
元記事公開日:
2026/01/09
抄訳記事公開日:
2026/02/02

経済政策が家計の所得・消費に及ぼす影響を分析する新モデルを財務省助言に活用

Vom Modell zur Politikberatung

本文:

(2026年1月9日付、ライプニッツ協会ドイツ経済研究所(DIW)ベルリンの標記発表の概要は以下のとおり)

経済学者クリヴォルツキー(Alexander Kriwoluzky)のチームは、経済政策が各家計の所得と消費に与える影響をシミュレートし、分析できる新しいモデルを開発した。特筆すべきは、このモデルが財務省への助言に具体的に活用された点である。

助言プロジェクトの対象は、2022年秋以降のエネルギー価格ショックの影響であった。連邦財務省は研究者に、ガス供給者の負担軽減、住宅手当改革、9ユーロ・チケット、さらにはガス価格抑制策に至る連邦政府の措置パッケージを評価するよう依頼した。評価に際しては、所得や資産の違いに加え、エネルギー消費量の違いも考慮し、家計ごとの影響を検証することが求められた。

チームはモデルを利用することで、これらの措置の総効果が、2年後、5年後、10年後の累積国内総生産においていずれも正の影響をもたらすことを確認した。特に肯定的に働いたのは税制上の軽減措置であるが、この効果は所得の高い家計が所得の低い家計よりやや大きく享受することが示された。一方、所得の低い家計には、エネルギー供給の確保やエネルギー消費の価格引き下げといった措置がより効果的に働いた。

この研究経験を踏まえ、プロジェクトの共同リーダーであるバイアー(Christian Bayer)氏は、最終会議において連邦財務省および欧州中央銀行の銀行監督理事会と、効果的な政策助言を生む条件について検討した。そこで重要とされた点は、エビデンスに基づく政策のためのインフラを改善し、科学的成果を適切なレポジトリで公開することである。また、政策形成プロセスに学術的専門性を低いハードルで導入するために、コンサルテーションも有効である。何よりも重要なのは、科学と政治それぞれの文脈条件を深く理解することである。

このモデルは、ライプニッツ競争資金により支援されたプロジェクト「欧州におけるマクロ経済政策の分配効果」において開発された。

[DW編集局]